読書記録・2010/08/03「パーマカルチャー-農的暮らしの永久デザイン-」を読んで

2010年8月3日
ビル・モリソン著、「パーマカルチャー-農的暮らしの永久デザイン-」を読んで
アムナイ川流域集落、そして私たちの暮らすミンドロオフィスに、どのようにしてパーマカルチャーをデザインしていくかというのが、今私たちが取り組んでいるテーマである。
今回再びパーマカルチャーを学習し直し、改めて多くの発見やすぐに実践したい例との出会いがたくさんあった。
パーマカルチャーの核心はデザインである。デザインとは物と物のあいだの関連のことであり、各構成要素を適切な関係に置いた護衛的な集合体作りのことである。
デザインが適切であれば、エネルギーは循環し無駄が無くなる。もし、無駄に多く労働している、非効率的だと感じた場合は、それはデザインに無理があるということだ。
私たちが作り始めているパーマカルチャーデザインは、非常に無駄が多い。せっかく植えた作物が、植えたそばから放し飼いにされている家畜に荒らされてしまったり、水やりに多大なる労力がかかったりというところである。また、「まずは土を耕し、柵を作ってからでないと何も始まらない」という農業に対する固定観念も非効率に拍車をかける。これらは、個々の小さな事柄に執着しすぎてしまい、個と個の間の関係性、また全体を把握しようとしていないことに原因があると思われる。
また、パーマカルチャーは情報と想像力の集約であるという。パーマカルチャーは土地の広さや、質を選ばない。どんなところでもパーマカルチャーは展開できる。必要なのは私たちの思考の質と用いる情報であり、情報獲得能力と情報処理能力が成功するか否かを分けるのである。
この2点でほとんどの協会スタッフはハンディキャップを背負っている。情報を獲得する手段が、与えられる情報のみに限定されてしまっているということ、さらに与えられる情報に頼ってしまうため、自ら工夫したり応用しようというアイディアが生まれてこないということである。
パーマカルチャーの知識そのものや、その知識を獲得する行為まですべてを、一から始めるとものと言っても過言ではない。ファシリテーターの能力がためされるところである。
私自身わからないことばかりだが、私がスタッフに対してパイプ役にならない限りパーマカルチャー事業は進んでいかないだろう。それだけの責任感をもって取り組んでいこうと思う。そして何よりもパーマカルチャーのデザインは面白く、美しい。私たちの住むところに、本に描かれたパーマカルチャーの世界に少しでも近いものができるのを夢みている。
田畑智美

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