【完結しました】伊佐知美の「旅×仕事」のフォトエッセイ『#旅と生きる美しさを 』
このnoteは、2018年5月に「先に目次だけを公開して」有料noteの販売を開始しました。その後、目次に沿って内容を執筆し、有料noteの有料範囲にて都度更新。2019年4月、完結しました。現在「はじまり」部分のみ無料で公開しています。全部で80,000字、写真200枚超のフォトエッセイです。
** 以下本編 **
■はじまり「旅をしながら世界中で仕事をする」
神奈川県川崎市の、いわゆる普通のアパートの1階。1LDKの部屋の中で、「狭いなぁ」「生きづらいなぁ」と思いながら私は過ごしていた。副業のライター仕事は始めたばかりで、まだ報酬は1本500円とか1,000円くらい。到底書き仕事だけで食えていけるわけはなく、一生懸命生きているつもりなのに、どことなく、というか全然満足感も幸せ感も得られないまま。私は27歳になっていた。
「世界を長く、旅したいなぁ」「できれば、書き仕事をしながら」。
まだ、「写真を撮りながら」なんてことに頭は至らなかった。日々を過ごすのに精一杯だった。未来への不安でもいっぱいだった。好きなことで生きていく? フリーランス? それって何、おいしいの? 不安定な人よりも、サラリーマンである程度お金があって、私のこと好きで居てくれて、夢なんか追いすぎない堅実な人と結婚して、そんでまぁ、夢がいつか叶ったらいいよな、私の。みたいな、そんなどっちつかずの気持ちで生きていたら、そりゃあ世界一周に行きながら仕事をするなんて暮らし、実現するわけないよなぁ。
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こんにちは。この文章を書いているのは、32回目の夏を迎えた私・伊佐知美。今は人生2回目の「世界一周×仕事」の旅から帰ってきたところで、旅人仲間と借りている世田谷の一軒家の2階でこの原稿を書いてる。
綺麗事をいう気もないし、夢は絶対に叶う、なんて断言したいわけでもない。けれどこの数年間で、私は「夢は叶うこともあるのだ」「それも、自分が思っていた以上の形で」「だって、世界も周りも変わっていくのだもの」と心底実感した。
頭の中がお花畑だな、と思うこともある。むしろ極楽鳥でも飼っているのだろうか、と自分で突っ込みたいこともある。けれど「旅と生きる美しさ」を知ってしまった今、もう後ろに戻れる気もしなければ、戻りたいという気持ちもない。
たしかに途中、間違えたと思ったこともあった。しんどくてしんどくて、全部耳を塞いで目を閉じて、このまま布団に隠れてしまって、50年経ったらいいのに、と逃げたくなる夜も多かった。
でも。生きていてよかったと想う夜の方が、今は多い。思い通りにならないことも多いけれど、まだ私は生きたい。
世界をいきなり変えることはできないかもしれないけれど、自分の「今日」は変えられるし、私の「明日」も変えられる。実体験から確信したことが2つだけあるんだけれど、「早く行きたいならひとりで行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」と「ひとりになると決めた覚悟を持った人だけが、信じられる『仲間』に会える」は真実だと思うのね。
少し、後ろを振り返りながら。読み終わったときに、「さぁ明日からもまたちょっぴりずつだけ、がんばろう」と一緒に思えるような。
キーワードは旅と仕事と、ノマドと未来。これらがいつか、遠い誰かの、背中を押して。この世界をまた少し明るく照らしてくれる日を、願って。
「私が見た世界のドキドキやわくわくを、可視化したい」と27歳の私は言った。それをこの有料noteで、きちんと形に。そしてまた、次の夢に向かうんだ。
2016年4月に出発した、一度目の世界一周。夢だったクロアチア・ドゥブロヴニクの丘にて
同じくドゥブロヴニク。アドリア海沿いの「SOBE」と呼ばれる宿の2階で、猫と戯れながら毎日写真を撮って、原稿を書いた
2018年6月に再出発した世界二周目。ペルー・マチュピチュ村でも毎日仕事をした。楽しくて仕方がなかった
** 本章[1]「ここではないどこかへ」へ続く **
以下目次
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以下有料note部分
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■本章[1]ここではないどこかへ|「この海を超えたら違う国がある」と知った小学校時代
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