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娘のマンション訪問記: ミニマリストの娘ともったいないが口癖の母との終活日記(第4話)

こんにちは。母と娘の終活日記をお読みくださりありがとうございます。今回のテーマは、娘のお家です。娘は長いこと1人暮らしです。(そういえば2人暮らしのときもあったのかしらん。またもや余計なことを) この度、娘の住んでいるマンションを訪問することになりました。というのも、娘も更年期に差しかかっているのか(勝手に決めつけ)、めまいに襲われることがあるとのこと。万が一何かあったときに駆けつけられるよう、最寄り駅とマンションを確認しておこうという話になりました。

今まで知らなかったの?と思われるかもしれませんが、ここまでのご報告でもおわかりのように、おひとりさまの覚悟ができている娘は、引っ越しも1人で済ませ「手伝ってほしい」の一言もないのです。しっかりしているというか、親を当てにしていないのか・・・ まあ、老親よりも終活ができている娘のことですから、引っ越しなどの心配はしておりませんが、やはり病気は心配です。誘われるままそそくさと出かけた次第でございます。

娘の住むマンションは、単身世帯用のワンルームマンション。住人も娘と同じように朝仕事にでかけ、夜返ってくるというビジネススタイルの方たちがほとんど。生活リズムが似ているせいか、生活音が重なって他人だが理解できる住環境だと申しております。

さてさてドアを開けると・・・玄関から見渡せる空間の綺麗なこと!フローリングやツヤツヤしているのがわかります。一部屋しかないのに広く感じるのはなぜでしょう。玄関に靴はなく、下駄箱兼物置に数足しまってあるだけ。(昔はハイヒールだけでもどれだけ履くのか?というくらい持っていたのに)
「靴が少ないね。これで足りるの?」と聞くと、
「履き心地がいいものだけ残したの。靴擦れ前提のヒールはいざという時に買う」とのこと。
なるほど、履き心地は大事です。「なぜ私は同じようなところに靴擦れができるのか?」仕方がないとあきらめていましたが、ちょっと考え直す必要があるようです。(娘に“それみたことか”とばれないよう心の中で反省)

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家に上がって数歩で終わり。「あ~人間って、この空間だけでいいのだ」としみじみ思える広さ。何もないと思っていましたが、一人がけのソファがあります。(読書するときに必須アイテムとのこと)机もあります。(仕事用) テレビもあります。(ほとんど観ないので次は卓上サイズでいいと申しております) 以上。 娘の家にあるのはこれだけ。一応、冷蔵庫やレンジ、洗濯機もありますが、部屋の中は「ザ・シンプル」です。
「これだけで生活していけるのね~」
と、これは声に出しての感想。食器は備え付けの棚に置けるだけ。
「1人で使う食器なんて限られているし」 ここまでくると娘の答えもシンプル。しかも心に刺さる。娘の返事を聞くたびに「グサッ」と感じるのは気のせいでしょうか…
我が家の食器棚は、まさに使用しないコップや皿であふれている状態。娘は実家に帰ってきていつも何を思っているのやら。

見るものは何もないですが、実は興味津々。何もない部屋なのに質問はいっぱいです。
「ねえ、ねえ、タンスは?」
「ない」
「服はどうしているの」(小さなクローゼットを指して)
「その中」
「開けていい?」
「いいよ」
「これだけ?」
「うん、それだけ」
無印のハンガーにコートやジャケットも含めて、数着の洋服が綺麗に掛かっています。確かにいつも着ている洋服です。90%が黒です。これは私服というより制服? おしゃれ感なし。しかし、シンプルなコーディネートは可能。
「これだけでいいんだね」
「そうだね。始めから持ってないから着る服に悩まないね」
「でしょうね」
「パンツとは靴下は?」
「テレビ台の小さな引き出しに入っているよ」
「え、そんな小さな引き出し?パンツ大きいのに」
「それは関係ないでしょ!パンツの大きさではなく枚数としまい方でしょ!」
「なるほど。ちょっと見せて」
「どうぞ」
「おーきれいにしまってあるね。これならすぐわかる」

私は娘の5倍は下着類をもっています。この年で勝負下着はないですが、ジム用、普段用、お出かけ用と最低限に分ける必要ありと思っていましたが、娘はいつも同じ。
「同じ下着だ!」
「うん、いつでも救急車に乗れる」
よく言いますよね。「今日の下着はヨレヨレだから、何かあったら困るぅ~」なんていうこと。もちろん私もですが。娘の場合、洗ってあるか、洗ってないかの差しかないような気がします。いわゆる勝負下着なし。ということは… これ以上考えるのは娘のためにもやめておきましょう。

「コーヒー飲む」
「あるの?」(ちょっとびっくり)
「あるよ。私だってコーヒーくらい出すよ」(互いに大笑い)
「よかった。お茶も出せないかと思った」

よくわかりませんが、余裕のある娘の顔を見ながらコーヒーを飲んでいると、「ここまでシンプルでなくても、もうちょっと捨てるモノがあるかもしれないな」と思いました。というより、そんな考えが天から降りてきたような… よし、片付けスイッチ押されたぞ!

帰りの電車で「これはスイッチか?」と自問。まさか、これも娘の策略だったのでは!

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