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エンディングノートが伝えてくれること : ミニマリストの娘ともったいないが口癖の母との終活日記(第14話)

みなさんこんにちは。
いつもお読みいただきありがとうございます。

第12話で、父が他界したことをご報告させていただきました。

今回は父が遺したエンディングノートについてお話したいと思います。

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終活セミナーで、「エンディングノートを書いておきましょう」と伝える側ですが、残された家族として読むとなると、意味合いは違ってきますね。

エンディングノートの重要性を改めて感じるとともに、書き遺してくれた父に感謝しました。

ホント、あってよかった!最期の確認

父は、数年前からエンディングノートを書いており、改定に改定を重ね、最終版はシンプルで整理されたノートに仕上がっていました。


何年もかけて、自分の身体や心と向き合い、最期の準備をしていたのだと思うと、胸が熱くなると同時に、立派な人だと改めて感じました。

ノートには強調?ユーモア?感動💛が詰まっており、太字で書かれた内容は、本人が強く望んでいることが伝わってきます。

父が最も強調したのが、次の2つでした。

死んだ人間に金をかけるな。

母(妻)のことを頼む。

シンプルにたどり着いた結果が、なんとも父らしいのですが。

心には沁みます。

ほぼ遺言だと思い、葬儀は家族葬で小さく済ませ、法要も簡潔に。
ノートには「戒名不要」とあったので、ドキドキしながら戒名を断り、逆に「これでいいのか?」なんてちょっと不安になったりしました。

しかし、しっかり父の字(しかも太字)で、「いらん!」と書かれていては尊重するしかありません。

悲しいはずの時間も、エンディングノートを家族で読みながら、泣いたり、笑ったり、懐かしんだり、感心したりといった時間を過ごすことができました。

エンディングノートの本当のメリットがここにありました。

本人の意思を確認することで、家族が救われる

本人の希望を知って、家族の新しい責任が生まれる

エンディングノートに書かれた父の言葉で、私たち家族が強くなれた気がします。

母は、「これからの人生を楽しめ」と言われ、「お父さんの遺言だから、好きなことしなくっちゃ!」と毎日を元気に過ごせています。

弟は、「家族のために一生懸命働け」と言われ、家族の絆を深めていました。

私は・・・「これからもお前らしくお前の好きなように生きてゆけ」という言葉に、救われました。

おひとりさまで、孫を抱かせてあげるなんてこともできなかったし、転職するたびに心配しただろうし、安心させてあげられないことが後ろめたくて・・・情けない娘と思っていました。

父が遺してくれた言葉は「私はこれでよかった。こんな娘でもよかったんだ」という、初めての自己肯定でした。

ようやく「自分」を受け入れることができて、「私はわたし!」という幸福感に包まれました。

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私たち家族にとって、エンディングノートにあった父の言葉が、これからの人生を歩む道標になっています。
大黒柱を失っても、生きる強さと絆を支えに、家族がひとつになったようです。

我が家のエンディングノートは宝物になりました。
母は、このエンディングノートを「持ち出し禁止」にしています。

エンディングノートの重要性がわかっているのに、「書けば」と言うと、「めんどう」と言います。

先日の里帰りで、父のエンディングノートに「私の場合も同内容でお願いね」と付箋が貼ってありました。

「どんだけ横着なの」と大笑い。

まあ、ご期待には添えると思いますよ。

最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさまの終活に少しでもお役に立てれば幸いです♡

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