甘えたいから甘えない作戦
子どもの表現って、ストレートだったり、時に信じられないくらい不器用だったりします。
気を引くため、
わざとダメなことしてみたり
ちょっかいを出してみたり…
そうそう。伝わりますか?
私の5〜6歳の頃の、とっても不器用な作戦を思い出したので、綴りたいと思います。
私は物心ついた時から、父や母に、抱っこをせがんだり、遊びをせがんだりした記憶がほとんどありません。
うちは共働きで、祖母から「お父さんもお母さんも働いてて忙しいから、わがままを言ったらあかんよ」と言われていたからかもしれません。
だから、本当はとても甘えたかったけど、お母さんが帰ってきたら嬉しくてしょうがなかったけど、ずっと甘えるのは我慢していたように思います。
私には4歳年下の弟がいます。
1〜2歳の弟は、ストレートに父と母に自分の欲求を表現しました。
母が仕事から帰ってくると、待ってましたとばかりに抱っこ抱っこ、降ろしてもしがみついて離れません。気持ちが済むまで膝の上で甘えます。
それから父が帰ってきて、夕飯の時間になると、父の膝の上が弟の指定席でした。一緒にご飯を食べて、そのあとは、肩によじのぼっていました。
その光景に私は驚きました。
こんなに甘えて良かったの?
私知らなかったよ
5〜6歳の頃の私は、
そこでそうやって気づいたことで
一緒になって甘えても良かったんだと思います。
でも、その時はもう、大きいお姉ちゃんなんだから「今さらできない」気持ちになっていました。心の中ではこう思っていました。
私はすごく甘えたかったけど、
ずっと我慢してきたよ。
おばあちゃんに言われたことを
ちゃんと守ったよ。
こんな私えらいでしょ?
甘えたいのに頑張って甘えてない私
いいこでしょ?
小さい私は、甘えたいからこそ「甘えない作戦」にでました。父と母は、いつか私のこの頑張りに気づくに違いないと思いました。
こんな風に。
おや?
なぜお姉ちゃんは甘えてこないんだ?
ああ、お父さんとお母さんが仕事で疲れてるから
我慢しているんだね。
おばあちゃんが言うことを守っているんだね。
なんていい子なんだろう。
でも、そんな私の作戦は、気づいてもらえている様子もなく月日は過ぎていきました。
なんでもないよというふりをしていたけれど、弟が甘えてるのを見ては、気づいて欲しくて、淋しくて悲しい気持ちでした。
このように子どもは子どもなりに考えていて、みんなストレートに表現してるとは限らないのかなと思います。
こんな作戦を立てていた私は変わっているのでしょうか?
どうなのでしょうね?
今放課後児童支援員をやっていても、色々な子がいるのを感じます。
子育てされてるお父さんお母さんがいたら、色々わかってあげて欲しいところです。
さて、目の前に急に現れた、「甘えたいから甘えない作戦」という、とても不器用な作戦を続けた小さい頃の私。そんな私には、
寄り添って受け止めて
褒めてあげたいと思います。
それから甘えさせてあげたいですね。
安心するまで。
あと、どんなふうに自分を表現してもいいよ
怖くても、恥ずかしくても
それがどんなであっても私が受け止める。
今の自分に対しても、
そう思った今日この頃でした。
今日も読んでいただきありがとうございました。
9月ですね。季節の変わり目、お体には十分お気をつけ下さい。