「○○くんと山に行ってきます」
昔の話ですが、山の初心者に多い家族の揉め事、親が登山に対して、まるっきり無知だと。
ある女性が親に、「○○くんと泊まりで山に行ってくる」と親に連絡して、男性と二人で山へ出かけたそうだ。
昔は、大概、JR(いや国鉄かも)利用だと、松本駅構内で段ボールをどこそで拾ってきては、雑魚寝で夜を明かす。夏山のシーズンはそんな光景が見られた。
私も、女友達と一度だけ経験。最終列車に乗って。
そうすると、早朝には上高地へ行くことができる。
彼女の親が、「男と寝るなんて、とんでもない!!」「まだ、嫁入り前の娘
が・・」と。親が、変な勘ぐりをして、松本まで、必死な形相で追いかけてきたという。
現地で、娘を見つけると、「お父さん、駅でみんな雑魚寝してるじゃない!!」と。お父さんの取り越し苦労に終わる。
これは、古き時代から、登山をしているお友達から聞いた話。
自分自身も、山岳会入りたての頃、ある計画が組まれる、この指とまれで、参加者が名を連ねるので、私もそれに便乗したはいいが、他の参加者が、「仕事の都合で」とか、「この日はダメ!」となり、残されたのは、今まで一緒に山行をともにしたこともない男性と二人となってしまった。
そこで、私は、上の話のお父さんに近いような不埒な不安を抱き始めて、「どうしよう?どんな男性か知らんし、ヤバイ、ヤバイ・・」と、グズグズしている様子に、ニエを切らした山の先輩が・・
「登山ってものはな、行くも行かないも、自分で決断するもんだぞ!!!!」
と、半分叱り口調で、教えてくれた。
それで、「今回は、見送りにします」と、断った。
それが、「登山のき」なんだと、今でもしっかり焼きついている。
その後、男性と二人でというのは、あまりないが、3回ほど。一つは沢登りもどき。日帰り。
もう一つは笠ヶ岳に。初日は、車中泊。山頂では、テントを張って。
三つ目は、クロスカントリースキーで、ハイキング。日帰り。
その他、男性陣の中でも紅一点という冬山も。
うちの両親は、あまり何も考えてなかったんで、「また、山か〜、いい加減農作業でも手伝え・・」、「お正月ぐらい家族と過ごせばいいのに・・」ぐらいでした。
不埒な考えを持ってたら、行けなくなる。
特に、冬山は、ラッセル要員、食糧係。登頂とかは考えなかった。山は厳しい、厳しい。冬山は、危険、危険。事故ることの方が怖かった。そうしているうちに、あまり意識しなくなった。
やっぱり、多くの合宿や、訓練をともにしたり、反省会、会合のなかで、「あの行動は、✖️✖️」とか、歯に衣を着せぬ言葉が飛び交い、会話の中で、揉まれて、登山仲間に置き換わったのかしら。
現在、駅の構内の雑魚寝は、禁止されているようです。今は、車で出かけ、駐車場でテント泊やビジネスホテル利用など変わってきました。(もう山をやめているので今時登山は知らないです。)