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オットは、海が好きだった・・

なぜかというと、子供の頃の思い出を話してくれた。

夏になると、和歌山の海の家の管理人だったのか、オットには、最愛のおじさんがいた。おじさんのところに、遊びに行くと、船を出してくれて、魚釣りをしたのか、おじさんが釣ってきたばかりの新鮮な魚を料理してくれたり、子供心には、海で船を出して、船に乗るってことは、冒険の塊ではなかったろうか・・


そのおじさんがある日、一人船を出して、天候の悪化で、海が荒れて、行方不明という体験をしている。きっと、心配で心配で、動揺しながら、最愛のおじさんの無事を祈って眠れなかったと思われる。

そんな話をしてくれた、山の世界から離れたい時期ってものがあったようで、突然、和歌山の椿温泉へいこうと言い出した。JRでなんとかたどり着いて、寂れた椿温泉。建物ばかりが、椿の木々に囲まれて、賑わっている様子もなく、閉館してしまったものばかり。目的の温泉?ホテルまで、小さな駅から徒歩で歩いて行った。

やはり、いつもの恒例になるけど、海辺に降りて、それも崖を降りて、飛び石をして、波打ち際まで行って、波と戯れるまでもなく、静かにじっと、沖を眺めているのだった。

おじさんとの思い出に浸っていたろうなあと。私もそんなにお喋りでないので、ただいう通りに、ついていって、沈黙。

そのときに泊まった温泉旅館のホテルの、お風呂用のピンクのタオルを未だ使用している。漂白剤で、名前、色抜けはしたが、思い出の塊だから。



新婚旅行兼ガイド業で、利尻、礼文へ

新婚早々の話だ。北の端の端。もちろん、船に乗る。カモメも飛んでくる、船に乗って、カモメに餌を投げる。うまくキャッチして、また飛んでいく。

この時は、仕事も兼ねていたので、船のデッキに出て、海を眺めたり、していたようだ。


北海道へ、講演会で。

小樽でしたかね。親切にガラス館や、小樽運河を案内してくれる、現地でのたまたまの案内人が、海岸近くに、美味しいレストランがあると、案内してくれた。その時、テトラポットの付近をデカいタコが浮遊。あの時は、本当に彼は、裏メシや・・。捕獲していいものなら、捕まえに行きたい衝動をつと止める。何度何度も、巨大水蛸を眺めていた。


越前海岸で・・。

蟹食いしごき日帰りバスツアーにて。私を元気付けるために、そのツアーに申し込んだようだ。当然、東尋坊も見学。時間内、東尋坊の崖を降りて行って、飛び石で、波打ち際まで、海に近づいていく。季節的に、1月かな2月かな、水仙の花が、雪をかぶって、咲いていた。海は、波の華って言うんでしょうか、打ち寄せる波が衝撃で、白い花のように舞っては、ちり、舞っては散り、それを二人で眺めていた。


伊豆高原では・・。

お世話になっている、ご夫妻の家にたまたま遊びに行く機会があり、2度ほど行く。冬と、夏。もう、うる覚えですが、駅の近くに遊歩道みたいなものがあり、海にも面していて、大きな岩では、フリークライミング?水遊びだったか、水着姿のご家族も見えた。私は、すぐに、不動産物件をみて、家の価格を見てしまう。
でも、彼は、山人でもあるので、岩か、海を眺めていた。

本当は、彼は、海の方が好きだったんじゃないかなあと思う。山では、山が高すぎて、石ぐらいしか拾えない。海は、タコもいるし、魚もいる。

そうそう、魚釣りはしませんでしたが、私が鮮魚コーナーで、お値打ちな鮮度のいい一尾の魚を見つけては、いつの間にか捌きを覚えてしまった、拙い包丁捌きで、作る、お造りが大好きだったようだ。

ごまさば、関サバ、関アジ、島アジ、水だこ、ガヤメバル、鯛、イカ刺し、キビナゴ、・・・。どれも、酒の肴になったようです。



彼の脳裏には、やはり、和歌山沖のおじさんの姿がくっきり焼き付いていたようです。


#わたしと海

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