ビスケットをかつあげする保育園児。
保育園は嫌いだった。
近所の保育園児からは、楽しい楽しいオヤツの時間に配られる、枚数2枚というビスケット。それを、「一枚よこさないと、つねるよ!」と、先生の目の届かない遊具の片隅で、そんな目にあった。
怖ったんで、その子のいう通りにして、影で、一枚ビスケットを渡す。
先生に言えばいいのに、よう言わなかった。
行きの保育園バスでは、村の一番大きなお店を通り過ぎる際、バスが少し留まり、保母先生が降りていき、予め用意されたお菓子の受け取り?をしている姿を見ては、今日はどんなおやつかな?と、楽しみだった。
大きな飴玉一つの時は、安心だった。
サツマイモの、蒸したものを潰してレーズンが入ったものも、安心だった。
問題は、「ポケットの中には、ビスケットが一つ、もう一つ叩けば、ビスケットが二つ、そんな不思議なポケットが欲しい・・」
という、歌に出てくるような、丸い大きなビスケットが狙われた。
その子のお母さんは、その子が高校生になった時、何を悩んだのか、自殺してしまった。お母さんは、進学校にいかせたかったようだった。彼女は、商業高校に進んでしまった。
葬式に中学の時の同級生全員で参列した。何か複雑な思いがした。自殺とは?お母さんが命を断つとは?
ただ、一度誘われて彼女の家に遊びに行った時、コーラの中にバニラアイスが浮かぶコーラフロートやらを初めてご馳走になったことだけは覚えている。
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