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「長い旅の途上」星野道夫・・疲れている時に、バイブルのように。

片田舎の、狭い見識の中で、疲れ果てた時、いつも作業着とともに、ザックに入れている本、星野道夫「長い旅の途上」。

まだ、読了はしてないが、こんな素敵な遺稿集って、初めてだなあと。

登山関係の遺稿集は、登山記録が主で、または、その人の生い立ち、ご両親、友人、知人の話などが盛り込まれていて。比べるのもなんだが、世界観がまるで違うのである。


と、昨日の、読んで心に残った箇所。「墓守」。

彼の友人のボブのことが書かれていた。アラスカの先住民の若者は、自分を見失い、酒と薬に溺れて行った。

浮浪者になった時期もあった。

そして、疲れ果て、自分の生まれ故郷に戻る。

生まれ故郷では、元々は、1千年以上にわたるクリンギットインディアンの墓だった。半世紀以上誰も手入れをしなかったロシア人墓地になり、そこを取り壊して新しい住宅建設が始まろうとしていた。

工事が始まると、土の中から骨が現れ、古い埋蔵品などは、盗まれて行った。

ボブは、毎日、この墓地にやってきて、草むらに散らばった骨を一つ一つ土の中に返していった。

このボブの小さな行動が、町を動かしたのである。住宅建設をストップさせたのである。

それから、ボブは、誰に頼まれたわけでもなく、毎日たった一人で、掃除をして、10年という歳月をかけて、荒れ果てた森の中の墓地をきれいにしていった。

お金がもらえるわけでもなく、でもボブにとっては、それをすることにより、ゆっくりと心が癒されていく時間だった。先祖の魂と言葉を交わしていたという。


こんな素晴らしいお話は、私には、響いた。竹林も、そうかもしれないなあと。ただし、日本の辺境のド田舎だから、まだまだ偏屈な人が多く、格好主義、右にならへでないと、生きていけないよ!!と、年寄りがいうのである。

救いようのないところかもしれませんが、竹林も、庭木のことも、私も病気がありますから、どのぐらい通えるかわかりませんが・・。私の町では、ムーブは起きないものと、思ってます。が、続けていれば、何か奇跡があるかもしれないと。

ふと、思うのです。

今回は、自分のマンションのこと、LED化のことで、クタクタな状況でありましたから、どうしても、タイパになってしまいました。でも、いい経験でした。
初めての竹柵の改修。

こんな素敵な遺稿集ができたならばなあ・・。コピー刷りの簡単製本でもいい、夫の、登山記録なんてどうでもいい、夫のその時に感じた言葉を何か残せないものだろうかと。(蛇足)


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