長生きしやすいフリーランス・早死にしやすいフリーランスとは?
フリーランスで働きたいという人がよく調べるor周りに聞くであろう「どんな人がフリーランスに向いているか」という話題。
ネットで調べても「納期を守る人」や「営業力がある人」などありきたりなことが書いてあり、他にもあるだろう…と思いつつ、私も「どんな人がフリーランスに向いているか」ということについて調べていた経験があります。
先日、フリーランスで働いている人や、これからフリーランスになりたい人達向けの交流会にも参加し、たくさんの方とお会いしました。
実際にお会いしてお話しをしたり、フリーランスの方のSNSをチェックしていて「この人はフリーランスとして強い人だな」という方や「この人ともう会うことはないだろうな」と感じた人の違いが分かってきました。
物事「絶対」というものはないので、私の言ったことが必ずそうというわけではありませんが、これからお話する内容は、受注者目線で見ても発注者目線で見ても相違が出づらい内容だと思います。
これからフリーランスで働こうとしている方の周りに、フリーランスの教師となるような人もいれば、反面教師となるような人が出てくると思うので、是非参考にしてみて下さい。発注者側の方の参考にもなれば幸いです。
フリーランスとして長生き出来る人は?
フリーランス「自由」「自分らしさ」を持ちながら働ける、時には楽に稼げると思われがちですが、フリーランスとしてしっかりと生計を立てていくのはそんなに甘くありません。ここからは若干辛口なコメントを交えてお話します。
お金の話題を嫌味なく堅実に話す力
会社員人生であまり良くないと言われる月収や年収の話題を気軽に、嫌味なく、堅実に話せる方はフリーランスに向いています。
フリーランスになると案件を獲得するのも自分、単価を決められるのも自分だからです。
最初はクライアントが設定した金額で進めていくことが多くなりますが、実績が出来上がってくると、過去の実績を元に「この案件だと○万円になります」「私の文字単価は○円です」といったことを、しっかりと話さなければなりません。
また、フリーランス同士でも「私は大体○万円くらいで案件をやってるんですけど」とオープンに話すのがおすすめです。同業者の手が空かない時に「○○さんならこの予算だとやってくれるかも」と思い出して相談してくれる可能性が生まれます。
実際にリソースが追いつかずお断りはしてしまいましたが、私の単価を知っている方が案件を紹介してくれた、ということもあります。お金の話しで弱気になる人は安価で受注をしがちです。また、打ち合わせでもお金の話は付き物です。少しずつでも慣れておきましょう。
疑問点をクリアにする力
打ち合わせ時や案件の話がくると契約の締結の有無や通勤の有無、おおよその受注量や支払いサイトなどなど、様々な内容を決めていきます。また、同じ仕事内容でも業務の進め方もクライアントによって異なります。
これらの疑問点を打ち合わせ時や業務の進行中にしっかりを聞ける方は業務をスムーズに進行しやすくなります。また、発注者から見ても「業務についてしっかり考えてくれる人だ」という印象を持ってもらえます。
この時もお金に関わる話を躊躇わずに行いましょう。
エビデンスを残す癖
エビデンスとは下記の意味を表す言葉です。
エビデンスとは、証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語 "evidence" に由来する、外来の日本語。
引用元:Wikipedia
仕事でもよく「その件はエビデンス残っているの?」と聞かれた経験を持つ方は居ると思います。
何故エビデンスを残せる人が必要かと言うと、フリーランスでも言った言わないのトラブルが付き物だからです。
電話で話したことや打ち合わせの席上で決めたことは必ず文章というエビデンスにして残しましょう。メールやチャットで構いません。文章で残す、そして相手に送るということが大切です。
そんなのクライアントが送ってくれるだろ?と思う人。甘いです。クライアントと自分の認識の齟齬が起こることは少なくありません。
箇条書きで良いのでその時にきめたことをキチンと相手に送って残しましょう。下記のように送れば相手に失礼もありません。
本日はありがとうございます。
(先程のお電話ではありがとうございます。)
下記、席上で(お電話で)お話した内容をまとめております。内容に過不足がないかご確認下さい。
・○○について
→✗✗日までに進めて△△様に送付
ざっくりな例ですが、初めてクライアントと打ち合わせをした後などはキチンと送りましょう。自分が忘れた時も思い返せます。
段々信頼関係が出来てきたらフランクな文章でも問題ないかと思います。相手に合わせて言葉遣いの塩梅を調節して下さい。
変化し続ける努力
フリーランスで仕事をすると、在宅勤務で1人で仕事をすることが多く、外の世界を見なくなったり、忙しすぎて情報収集を行う機会が減ります。
会社に居ると何もしなくても誰かが教えてくれる、上司がチェックするべきニュースを教えてくれることもありますが、フリーランスで働くと、知識を共有してくれる人はいません。情報収集も自分で行います。
しばらく盲目に仕事をしていると気づいたら「現状維持」に陥ることも。現状維持を避け、何かを変え続ける力を持つスキルはとても大切です。いつまでも変わり続ける人は、人としても素敵です。
クライアントに合わせて変化し続ける努力、スキルをあげようと自分を努力、情報収集をして視野を広げる努力はいつまでも必要です。
従業員が自分だけの会社を切り盛りする という意識
フリーランスは「会社員」でもなければ「フリーター」でもありません。「個人事業主」です。ただ業務をこなすだけではなく、営業や事務処理も全て自分で行う必要があります。
フリーランスが行う営業活動とは
フリーランスの営業は下記のようなタスクを行います
・案件を探す&エントリーする
・スケジュールの調整や管理、交渉を行なう
・契約書の締結の有無や、内容の確認をする
営業活動と聞くと「SNSで自分の情報を発信する」というのを含む方もいらっしゃいますが、影響力が大きくなければほぼ無意味です。案件サイトや求人情報で案件を探し、エントリーをする方が無難です。
SNSで簡単に仕事を獲得出来るほど世の中甘くありません。変な夢を見ずに堅実に案件を探しましょう。案件探しについては別ノートで掘り下げて書いていこうと思います。
スケジュールの調整も自分で行いましょう。マネージャーや秘書が必要になるほど忙しくなる方はごく僅かです。業務が増えてくると、クライアントが何社か増えます。クライアントには話せる範囲で構いませんので、月内に受注済&受注予定の他社の業務量を共有しましょう。
また、各案件の納期や月内の稼働がピークになる時期を掴みながらスケジュールを管理し、調整を行いましょう。
契約書の締結の有無もクライアントによって変わります。初回の打ち合わせ時に確認をして下さい。また、上場準備中で個人事業主との取引をNGにしている会社もあります。
心配な方は打ち合わせ前に確認をすると良いでしょう。契約書が必要になった際は、内容の確認と返送方法を確認して下さい。返送は郵送とPDFでの返送どちらかになります。
お金に対してがめつくいるスキル(笑)
フリーランスになると、よく実績が欲しいor勉強中という理由から案件を低価格で受注してしまう人が多くいます。
一度受注した価格を値上げをするのは困難ですし、適正価格から乖離をした高価格で提案をすると提案が通らないため、最初の価格設定はとても大切です。
お金に関してはある程度強気に、そしてがめつくいるようにしましょう。
仕事はボランティアや慈善事業ではありません。価値を提供してお金をもらうことで成り立っています。その意識があれば自然とがめつくなるはずです。
小さい事務作業をしっかりこなせる人
フリーランスの案件は納品をして金額を請求し、入金を確認するまでがゴールです。支払いサイトの確認や請求書の送付方法(郵送orPDF)の確認などをしっかり行い、事務作業をこなしていきましょう。
また、経費精算も立派な仕事です。交通費や交際費、事業所の家賃なども月末にまとめて精算をして確定申告の準備に備えましょう。これらの事務作業を怠って損をするのは自分自身です。損をしても誰も助けてくれません。
フリーランスの余命が短くなりやすい人
フリーランスで仕事をしているとフリーランス同士での関わりも増え、周りの仕事の仕方を参考にしたり、お互い切磋琢磨しあったりすることも増えます。強いフリーランスも居れば「この人は…」という危ない香りがするフリーランスも居ます。
フリーランスとしてしっかり生きていくために「反面教師にするべき要素」もチェックしておきましょう。
数字と向き合えない人
ここで表す数字はお金や工数、スケジュール管理の他、業務で関わる分析(サイト分析や競合分析)を表します。
これらの数字と向き合えない人はフリーランスの余命が一気に縮みます。私たちはただ働けば良いというわけではありません。小さな会社を切り盛りしているのと一緒です。
毎月の報酬が幾らになるかをチェックし、各業務にかける工数や打ち合わせのスケジュール、業務で関わる様々な数字と向き合うようにしましょう。
数字と向き合えずに闇雲に働いている人は一瞬でダメになります。数字と向き合うのが辛くなることもありますが、数字は嘘をつきません。理系分野に詳しくなる必要はありません。いつもより細かく向き合えば心配はありませんので、数字と向き合うようにしましょう。
抽象的な肩書きや夢物語ばかりを語る人
SNSなどを見ていて、こういった内容を書いている人を見かけませんか?
(例)フリーランスになって○ヶ月後に月収✗✗万円を突破。自分らしい働き方を追求するライフスタイルデザイナー/自分自身がブランド/△△などで執筆/ブログは✗✗PVを突破。
会社を辞めて好きなことをして生きることに。自己表現を仕事にすることを目指しています。○○コミュニティで生き方模索中。
こんなプロフィールを書いている人はソッコーで変更して下さい。上記が本心の方はフリーランスとしての考え方を見直しましょう。クライアントがあなたに求めているのは「夢見る世界」の啓蒙ではなく「成果物の結果」です。
もしあなたが転職活動をするとします。現実的な業務の内容や社内の様子を明確に提示せずに「夢を叶えよう!」「自分らしくいよう!」と強く謳う会社に入りたいと思いますか?
何かを依頼する時に夢物語ばかりを語る人に「仕事の相談をしようかな?」と思いますか?
「いやいや、自分は仕事の時は現実的な内容を話すよ」と言う方。甘いです。クライアントは表面上で見える内容であなたの人となりを判断します。現実と向き合って下さい。フリーランスは抽象的な肩書や夢を語れるほど甘くありません。
クライアントが調べても分からない・話せない数値や実績を発信する人
調べても分からない数値は前段で例にあげた「月収✗✗万円」や「ブログのPV数は✗✗数を突破」のことを示します。まず、これらのことを書いていてもそれに、求めている成果物に関係するかを判断をするのはクライアントです。むしろ業務にはほぼ無関係です。
また、本当の月収やPV数を調べられて嫌な思いをするのはあなたです。クライアントが調べても分かる内容(経歴など)を出すようにしましょう。公な場に出すのが難しい実績は、打ち合わせでやんわりとお話をするのがおすすめです。
業務の内容を分かりやすく話せない人
時々交流会でも「どのような案件を行なっているんですか?」と聞いた時に相手に分かりやすく話せない人がいます。
私の場合は「美容系や家電系のSEOメディアでライティングをやっています。1記事あたり文字数が4,000〜10,000字前後の記事の構成と執筆を行なうことが多いです」と話しています。
例えば、ライターの方の場合「美容系の記事を書いています」だけだと分野が広すぎて良い仕事の依頼はきません。
美容系でもSEOメディア、美容系の会社のコーポレートサイト、メルマガの代筆などで書き方も変わります。また、人には言えない仕事をしている人よりも、人に話せる仕事をしている人の方が信頼は上がります。
しっかりと相手にどのような仕事をしているか話せるようにしましょう。
因みにライターの場合「個人ブログで取材したかどうかわからないような内容を取材と言ってあげる」方や「アフィリエイトブログに記事をあげる」だけの方はしっかり仕事をしているとはあまり言えません。
タイアップなら、どんな人が見てもタイアップと分かるような書き方をしましょう。PR表記も忘れずに。
ITスキルが低い人・効率化を考えない人
仕事を進めるにあたりPCを使うのは当たり前ですが、ただ使うだけでは宝の持ち腐れです。フリーランスとしてしっかり稼ぐには、効率良く業務を行う必要があります。
PCをしっかり使いこなす、業務をより効率良くこなすことを考えて仕事をしましょう。
今ITスキルが低い人は、分からないことがあったらすぐ検索を心がけて、スキルを高めていけば大丈夫です。業務の効率化は「今の業務を楽に行う方法は?」と常に考えて模索をしながら仕事を行なうようにすれば、少しずつ無駄がなくなります。
現実問題と向き合うのがフリーランス余命を延ばすコツ
働き方改革や副業の解禁が盛んになり、フリーランスで仕事をすることの関心が高まっていますが、長い期間フリーで働いている人は意外と現実思考です。
目の前の問題としっかり向き合って、仕事をこなしていきましょう。
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