K.カズミ

水曜日のダウンタウンという番組でネット上の都市伝説「K.カズミ」のことを取り上げていたのを見た人も多いだろう。
2m17cm・222kgの巨体に蕎麦を80杯以上食べる異常な胃袋、鍋をへし折り背筋計を壊すほどの人間離れしたパワー。
これらが真実であれば、フードファイター3人並の食欲、世界レベルのボディビルダー以上のパワーであると番組では推測していた。

こんな人間が実在するとは考えづらいが、サラブレッドの世界には時折尋常ならざる牝馬が現れる。

この手の話題で挙げられるのはやはりキンチェムだろう。

54戦全勝と説明不要の実績ではあるが、19世紀ハンガリーやドイツを中心に活躍した馬という背景を鑑みる必要はありそうだ。

現代であればオーストラリアのブラックキャビアやウィンクスがそれにあたる。

ブラックキャビアは25戦全勝、勝鞍はほとんどオーストラリアの短距離路線に集中しているが、600kg近いと言われた馬体はネット上のK.カズミのイメージに最も近いかもしれない。

ウィンクスは43戦37勝、本格化してからは負け無し。
オーストラリアでは特別な扱いを受けていて、何かにつけてウィンクスの名前が挙げられるのを見かける。
実在していても歪な存在であるK.カズミと違って、ジャンヌ・ダルクとかに近い扱いだ。

さらにアメリカのゼニヤッタ、日本のアーモンドアイ、欧州のエネイブルといった傑出した名牝は各国で出ており、21世紀は牝馬の時代とも言える。

牡馬ではこれらの記録を塗り替える力があったとしてもさっさと種牡馬入りしてしまうのでまず抜くのは無理だろう。
次にこういった馬達の記録を塗り替える馬が現れるとしたら牝馬か騸馬となるはずだ。

ちなみに水ダウの結論としては、K.カズミは実在するものの蕎麦を大量に食べた事だけが真実で、他はその記録を利用したなりすましによる嘘であるとのことだった。

ただその蕎麦の下りもなかなかに怪しいところが多く、ネット上にも疑問の声が溢れているが真相はわからない。
ちゃんとした企業が記録を保証しているのだから間違いないだろうということだが、それで道理が通るのであればギネスのような機関は必要ないのだが・・・。

競馬もギャンブルという性質があり、閉鎖的なムラ社会、そして馬肉問題と様々な闇を孕んでいるということは言うまでもない。

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