NHKマイルカップ 2022 所感

かつて強い外国産馬が多く、彼らにクラシックへの出走権が無かった時代、NHKマイルカップは強豪マル外達のためのレースのようなものだった。
しかし設立されたは良いものの、たった数年でマル外もクラシックに出られるようになり始め、さらに日本競馬のレベルと質の変化でマル外のアドバンテージがなくなってきたこともあり、今やスプリンター/マイラー気質の馬やクラシックに一歩足りない馬たちが集まるレースになった。
もしもっと早く設立されていればシンコウラブリイやヒシアマゾンあたりが勝者として刻まれていたかもしれない。

近年はレベル低下を言う声もあるが、90年代から00年代初頭でも年ごとにレベルにばらつきはある。
そもそもレベルとはなんぞや、という話もでもあるが。

その点、今年はなかなか期待できるんじゃないでしょうか。

セリフォス
NHKマイルカップ馬を3頭も出している信頼と実績のダイワメジャー産駒。
母父はマイル系牝馬に定評のあるルアーブルでスピードは十分だろう。
前走はドウデュースに一歩及ばずだったがそこからさらに成長していれば勝ち負けは必至ではないかな。
半年ぶりなのはちと気になるが追分なのでしっかり調整してきているはず。
多少の馬場の渋り具合なら対応可能と予想。
追切りは軽めとは言えしまいはしっかり伸びているし前向きな感じなのは良い。

マテンロウオリオン
こちらもダメジャー産駒。
母父キンカメとNHKマイルカップのために生まれてきたような馬感がある。
オークス馬レディパステルの牝系。
レディパステルは古馬になって善戦ウーマン化したこともあってやや影が薄かったが、気がついたら牝系が拡大しているようだ。
配合からすると馬場は少し渋るくらいが良いのかもしれない。
かなり軽めの追切り。さすがに大丈夫か?と感じるが・・・。

インダストリア
バランスオブゲームやフェイムゲームのいる母系で兄弟にケイデンスコールがいる。
と書くとなかなかの牝系を持つように感じるが、全員GII大将なのがミソ。
打開してGIを獲れるのだろうか?
現時点では荷が重い気がするが、末脚はなかなか見どころがあるので展開さえ嵌まればワンチャンあるだろう。
追切りは少し促してるだけで高時計を出しているし走る気が見て取れる。

ダノンスコーピオン
早い時期から注目されていたが、アーリントンCでようやく結果を出した格好。
父ロードカナロアでキンカメ系統のガッチリ系。まだ持て余してる感はあるが、完成すればダートも行けそうではある。
今回は東京のマイルで大外なのがなかなかにキツイ材料。圧倒的なダッシュ力があれば問題ないかもしれないが・・・。
カナダの渋い母系を持つので種牡馬としても面白そう。
追切は結構軽め。

キングエルメス
なかなかどうして豪快な名前。
父ロードカナロア、母系を辿るとマルジュと同じ系統になる・・・がさすがに遠縁すぎか。
ガッチリ系のダノンスコーピオンとは違って体重以上にシャープに見せていて素軽そうだが、今のところあまり切れる脚は見せていない。
母父スペシャルウィークだし心肺機能次第だが中距離も行けそうでないかな。
追切は多少フラフラしているが動きは良さげに見える。

ジャングロ
今回唯一の外国産馬。
シュネルマイスターに続いてマル外の健在を示せるか。
しかし連勝でNTZを勝った割にはあまり人気していないのはパフォーマンスのせいだろうか。
まぁ自分でレースを作って他馬を潰すレベルの逃げ馬になる資質があるとしてもその域になるのはまだまだ先になりそうではある。
父モアザンレディは日本では全く大物を出していないだけにここを勝てれば父の日本初大物となれる。
追切りでは反応が悪いと感じたのか強めに促して併走遅れ。
ただ全体的な時計は早いので最後ちょっと一息入っただけかもしれない。

他にはソネットフレーズ、アルーリングウェイあたりが気になるところ。
荒れやすいと言われるとあまり荒れなかったりするのも競馬だが今回はどうだろう。


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