新商品の「打率」を上げる方法
何度でも打席に立つ
ビジネスでの一発勝負は、ほぼ失敗する。経験上からも、それは自信を持って言えます。”ポっと出”で成功したように見えても、実はそれまでに多くの試行錯誤があるもの。数多く打席に立ち、数多くスウィングしているのです。話題のヒット商品を生み出した会社があれば、それまでの失敗事例を聞いてみればいいでしょう。きっと、夥しい数があるはずです。
数多くの打席に立つからには、可能な限り打率を上げたい。それは当然ですよね。三振、三振、三振、、、と繰り返して、最後にホームランを一発よりも、渋い一塁打を頻発して打率三割をキープするバッターの方が、チームへの貢献度は高いし、信頼度も高いものです(阪神タイガースの今年のルーキーのように、ホームランか三振というのも魅力的ではありますが)。野球に例えているので三割と書きましたが、ビジネスではもっと高打率を目指していいでしょう。
新商品をヒットさせるのは、そう簡単なことではありませんが、その中で、低コストで実践できる打率アップ法をひとつ紹介します。
売ってから作る
それは、「売ってから作る」という方法です。
BtoBの場合、販売力の強い商社(もちろん普段取引している会社)を何社かピックアップして、その購買責任者に企画段階から話をします。「こういう商品を企画していいるが、買ってくれますか?」という具合です。そこで曖昧な反応だったら、どこを改善すればいいかなど、いくつか意見をもらいます。その意見を反映させたものを次回持っていきます。それを何度か繰り返して、最後「これを改善したらいくつ買ってくれますか?」と約束を取り付ける。同時に複数の会社を相手にこれをやるのは、反対の意見を言われる可能性もあって調整が難しい場合もあり得ますが、これを何度か繰り返して、生産前に購入の約束を取り付けておくと、すでに商品ができる前から売り上げが立つことになります。
この場合、購買権限のある、経験豊富な人に直接話すことが絶対条件です。別の担当者を経由すると、まったく機能しなくなるので時間の無駄です。重要なビジネスは、決済権者と直接話すことが鉄則です。
こんなことできるのか?と思う人もいるかもしれません。しかし、実際にこの方法で上場まで駆け上がったメーカーもいます。その会社は、BtoBもBtoCも同時にやっていますが、あり得ない高打率です。
BtoCの打率アップには
BtoCオンリーの場合は、以前書いたようなクラウドファンディングをうまく活用することでしょう。ここで、試作段階の商品を出して、先に売りを立てるという方法です。必要なのは、試作商品(量産化の手前で、まだ改善ができる段階)と、作りこんだLP(ランディングページ)です。ここに徹底的にユーザー目線でこだわってください。
私は、自社商品プロデュースやECコンサルティングをしていますので、こういうジャンルは日常的に触れる機会が多いのですが、どんなコンテンツが必要かは、商品のターゲットや競合の状況、ライフサイクル等によって異なります。切り口は無限にあるので、仮説を立ててLPを作りこむと、思わぬブルーオーシャンが広がっている。・・・かもしれません。
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