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写真作品のステートメントを考える

※ 本稿は、作品制作に取り組んでいる作家さんに向けて書いたものです。筆者の許可なく本稿及び掲載図版の転載や転用、有料講座やYouTube、オンラインラジオなどでの発言において二次利用をすることを固く禁じます。

記録(2023年5月22日):この記事を公開してから丸2年で、400名の方にお買い求めいただきました。ありがとうございます!
改訂(2021年5月26日):文末に「【追記】優れたステートメントの実例」を追加しました。細部の表現を見直しました
改訂(2021年5月25日):「ステートメントが書ける作品を作る」の章に「身近な環境から離れる」を追加しました

どうもこんにちは! トモです。

YouTubeチャンネルトモコスガ言葉なき対話をいつもご視聴いただきありがとうございます。我ながら渋いチャンネルをやってきたなという自覚がありますが、なかでも写真作品を募集してYouTube上でそのレビューを公開する公開ポートフォリオレビューのシリーズが最も人気があります。

私が取り組んでいるポートフォリオレビューは、一般的なそれとは少し毛色が異なります。どちらかといえば講評に近いのですが、その場限りの短いセッションではなく、事前の作品読み込みに何時間(時には何十時間)とかけてから臨みます。それから、応募の際には作品のステートメントを添えることを条件にしています。

或る時は作家さんと対話をし、また或る時は送られてきた作品について一人で延々と批評していくということを続けてきて、公開・非公開を含め、この1年半で延べ90作品近くをレビューしてきました。その過程で応募者の皆さんに一貫して感じられた課題がステートメントの取り組み方でした。

写真を言葉にすることによほど苦戦した形跡がにじむものもあれば、あまり有効とは感じられないもの、あるいはそもそものステートメントを誤って理解しているのではないかと感じられるものも。これはもしかするとステートメントについて考える機会が少ないからではないかと思い、この記事を書きました。あれもこれもと丸っと詰め込み、さらに追記を加えた2万字強の長文です。

本稿は、私がYouTubeチャンネルを通じて様々な作家さんとその作品に向き合いながら、いちから考えてきたことを詰め込んだものです。YouTube動画のように無料で配信したいところではありますが、本気で取り組んでいる方に参考にして頂きたいので、有料記事にしました。

読んで頂いた上で内容に満足して頂けなかった場合には、購入から24時間以内でしたら返金対応が可能です(返金申請はnoteのシステムから手続きをお願いします)

ステートメントを書くのって、本当に難しい

ステートメントを書く。それこそ昨今の写真撮りにとって一番の課題、もとい難問と言っても良い作業ではないでしょうか。それほどまでに、写真を言葉にするのはとっても難しいことです。

何度書き直してみてもしっくりこなくて、途方に暮れることもしばしば。自分の心情を思いつくがままに書き殴ってみたり、撮った後の写真をじっと眺めて感じられることをウンウン唸りながら言語化してみたり……。

苦労して書き上げた文章も、後で読み返すとどこかシックリこない。それどころか、言葉を添えたせいで、せっかくの写真がひどくつまらないものにすら感じられる。なんでだろう? それというのも写真を説明しすぎてしまったからじゃないか? そもそも言葉ではない表現として写真をやっているのに、どうして言葉が必要なんだ? もうステートメントなんて、なくていいじゃん……。

そんな堂々巡り、繰り返してはいないでしょうか? もしそうであれば、ステートメントとは何か、そして何を書くべきなのかについて見直すべきなのかもしれません。

しかしだからといって、これを読めば即座に立派なステートメントが書けるわけではありません。ステートメントというのは結局のところ自分自身の向き合いとも言える作業ですから、その有り様は千差万別。近道は存在しません。皆さん一人ひとりが自分のケースに照らし合わせ、自分が持っているもの、持っていないものと向き合うためのヒントとして書いたのが本稿になります。

それから、全ての作品にステートメントが必要だとは思わないんです。現に、活躍する写真家でステートメントを書かないという人は少なくありません。その代わりとして、評論家や学芸員、研究者、ギャラリストによる批評や解説が添えられるわけです。そしてそれらは、作家が何を考えてその作品を作ったのかという意図とは別軸で発展していくことがままあります。

しかしそうした場合にも、ステートメントがなぜ必要とされるのかを知った上で書かないという判断を下すか、あるいはなんとなく取り組みたくないからステートメントを書かないというのでは雲泥の差があります。その意味でも、本稿を読んでもらう価値があります

というわけで、日本で一般的なステートメントの問題点を見つめ直した上で、ステートメントにはどんな役割や意味があるのか、そしてそれはどんな作品に添えられるべきなのか。理想とされるステートメント、ダメなステートメント。ステートメントが書けるようになるにはどうすれば良いのか。本稿ではそれらについて触れていきます。

お買い求め頂く前に

これより下は、有料で読める記事となります。

できる限り多くの方にとって参考になることを書いたつもりですが、残念ながら全ての人に満足して頂くことは叶いません。ですからここで、記事をお買い求め頂く前の最終確認をさせてください。

まず、
「直感重視で制作してきたが、限界を感じる」
「ステートメントがなんなのかが分からない」
「ステートメントを書くメリットを知りたい」
「国際的に通用する作品の在り方を模索している」

「写真は趣味だが、自分の写真を説明したくてもうまくできない」
という方、本稿を読まれることをオススメします。

しかし、
「写真は自己満足のためにやっている」
「考え方・やり方を押し付けられたくない」
「写真はあまり考えずに直感的に続けていきたい」
「写真に価値を見出す考え方は受け付けられない」
という方、もしかすると本稿は不要かもしれません。

以上の振り分けを参考に、対価を支払うだけの価値があるかどうかを考えて頂いた上で、お買い求め頂けましたら幸いです。

前置きがすっかり長くなってしまいましたが、それではステートメントについてじっくりと考えていきましょう。

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最後まで読んで頂きありがとうございました。写真にまつわる話を書いています。楽しんで頂けましたらサポートしていただけると嬉しいです。