トモコスガ

写真表現を語る人。写真表現を語るYouTubeチャンネル「言葉なき対話」やってます☞ https://youtube.com/@tomo_kosuga Twitter ☞ https://www.twitter.com/tomo_kosuga

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写真作品のステートメントを考える

記録(2023年5月22日):この記事を公開してから丸2年で、400名の方にお買い求めいただきました。ありがとうございます! 改訂(2021年5月26日):文末に「【追記】優れたステートメントの実例」を追加しました。細部の表現を見直しました 改訂(2021年5月25日):「ステートメントが書ける作品を作る」の章に「身近な環境から離れる」を追加しました どうもこんにちは! トモです。 YouTubeチャンネル『トモコスガ言葉なき対話』をいつもご視聴いただきありがとうございま

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    • 写真と成仏

      スマホはこの21世紀において、最初にして最大の発明になった。 世界中の誰もが、スマホ画面の光に吸い込まれている。昼だろうが夜だろうが、家にいようがいまいが、もうお構いなしに。 そのうちスマホの方から「ちょっとちょっと、今日はやりすぎですぜ旦那」とか「ワイが魅力的なのは分かるけど、少し休憩しましょうや」などと、いらんパフォーマンスをし出すほど、僕らの心はなんとも小さな世界に閉じ込められてしまった。 私が暮らすここオランダでも、そうした光景は日常のひとコマだ。 いつも訪れるス

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      • noteを更新することにした理由

        TwitterがXになったのが、つい昨日のこと。 空を羽ばたく青い鳥は、無機質な「X」のロゴに置き換えられた。 かれこれ13年使い続けてきたTwitterはここ数年、どこか人々の感情の捌け口と化している。フォロワーもそれなりに増えれば、言葉の選び方ひとつ誤るだけで、どこからともなく匿名の風紀委員が正義と常識を突きつけてくるようになった。実名でやるもんじゃなかったな。時すでに遅し。 そろそろ辞め時かな、と思うことはこれまでも何度かあって、アカウントを消しては数日後に復活する

        • 父とカメラの話

          リコーのGRIIIを買った。実に2年半ぶりの新しいカメラ。 カメラを買う頻度としては、そのくらいが健全だとおもっている。そもそも1台あれば充分だし、仕事でもない限り、常に最新機種を使う必要もない。というくらいには、カメラにあまり愛着を持たないようにしてきた。 というのも、父が筋金入りのクラシックカメラ狂いだったからだ。 極論として、カメラはシャッターが切れて露出とピントが適切にとれていれば成り立つものだ。なおかつ、それは写真を撮るための道具にすぎない。にもかかわらず私の実

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        写真作品のステートメントを考える

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        マガジン

        • 2023年7月
          3本

        記事

          「#ジャメヴな瞬間」で垣間見たフリーコンテンツの潜在力とその価値

          トップバナー写真の作者:IchiZoさん どうもこんにちは! トモです😉 ここ最近、YouTubeチャンネルをほったらかしにして(お待ち頂いている皆さんにはスミマセン)、まったく新しい写真キュレーション企画「#ジャメヴな瞬間」というのをオンライン上でやりました。 これがね、本当に面白かったんですよ。誰よりも、私が楽しかったー!🙌 そうそう、こういう写真がSNSでも見たかったんだ! という達成感と眼福の思いもその最たる理由でしたが、そのほかにもフリーコンテンツの底力を確

          「#ジャメヴな瞬間」で垣間見たフリーコンテンツの潜在力とその価値

          写真家・薄井一議は、昭和の「視覚を奮い立たせる色」から我武者羅に生き抜く力を見出しながら今日を生きる。

          どもっ!トモです。 自分、トーキョー生まれの新宿育ちです。そう言うとたまに羨ましがられることもあるんだけど、実際は良い思い出なんてそれほどない。 1980年代初頭、高田馬場と新大久保のあいだにあるマンモス都営住宅群で生まれた自分は、多国籍な子どもが集う新宿区の小学校に通った。といってもいわゆるインターではなく普通の公立だったんだけど、歌舞伎町から職安通り一帯をねぐらとする様々な人種の同級生、彼らが信仰する色んな国の宗教、あるいは極道の親分の子息がクラスメイトにいるような環境

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          写真家・薄井一議は、昭和の「視覚を奮い立たせる色」から我武者羅に生き抜く力を見出しながら今日を生きる。

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          田附勝『DECOTORA』インタビュー記事(2008年、VICEマガジンv4n9掲載)

          文・トモコスガ 写真を撮ることは、被写体と対峙するということ日本にはデコトラという、目がチカチカするネオンを車体にくまなく装備し、コンテナにエアブラシで鮮やかに描いた長距離トラックが存在する。日本独自の色彩感覚やアングラ感を漂わせるそれは一言でいうと、ファッショナブルだ。1970年代後半にヒットした映画『トラック野郎』をきっかけに、それは日本中に溢れたが、その後に施行された法規制の影響で絶滅危惧種となり、じかに見かける機会もほぼないに等しいほど、その存在感は薄れている。

          田附勝『DECOTORA』インタビュー記事(2008年、VICEマガジンv4n9掲載)

          子ども写真に見る「人間の本質的な姿」

          どうもこんにちは、トモです。 前回の記事では「yousawscenes」なる日常写真フィーチャープロジェクトが始まったよ、その選者として私も参加しているからみなさんどしどし応募くださいねということについて書きました。 そのなかで、この1か月で取り上げてきた写真も紹介したんですけど、振り返ってみて自分でも驚くくらい、お子さんを撮った写真をよく取り上げていることに気づきました。例えば、これとか。 ユーモアがあって、好きです。 しかしあまりにも多く子ども写真を取り上げている

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          子ども写真に見る「人間の本質的な姿」

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          私景、という名の日常

          どうもこんにちは、トモです。久しぶりのnote更新となります。 今月から「yousawscenes」(以下、YSS)なる写真プロジェクトに、選者の1人として参加しています。 「yousawscenes」とは誰でも参加できるフィーチャープロジェクトで、自分の写真作品にハッシュタグ「#yousawscenes」をつけて、TwitterもしくはInstagramに投稿してもらうというもの。投稿されたものの中から、YSSメンバー8名が日々ピックアップして紹介しています。 そのお

          私景、という名の日常

          深瀬昌久のサスケ、いよいよ出ます。

          どうもこんにちは。トモです。 深瀬昌久が愛した猫、サスケの集大成とも言える作品集がいよいよ出ます。日本語版が赤々舎から。英語版と仏語版がAtelier EXBから。 どんな本? こんな本。さっそく動画が出来上がっていました👇 ボリュームがあるので(192ページ)、さすがに全てのページを確かめることはできませんけど、本の雰囲気はよくわかると思います。 とってもかわいいでしょう? サスケ完全版をようやく作れました。ただカワイイ猫の写真集にとどめることなく、深瀬さんがサスケ

          深瀬昌久のサスケ、いよいよ出ます。

          知られざるもうひとつの創世記。岡部 桃『Bible』

          【始めに】本稿は、2014年に発表した記事を再執筆したものです。 文中には性的な写真表現が含まれますことを予めご了承ください。 写真集としては大ぶりなB4サイズの上製本を、赤いベルベット生地が包み込む。その表紙には、金色で大胆に彫られた「Bible バイブル」という文字。装丁といい題名といい、挑発的と言っても良い出で立ちだ。 2014年に刊行された『Bible』。東京を拠点に活動する写真作家、岡部 桃の写真集である。発行はニューヨークのインディペンデント系出版社、定価14

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          知られざるもうひとつの創世記。岡部 桃『Bible』

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          暗黒超新星 山谷佑介が放つ夜闇の世界

          インタビュー・文:トモ コスガ ここに差し出したるは、黒い布が無造作に継ぎ接ぎされた不気味な1冊。 黒魔術書? デス・ノート? いえ、写真集です。 今年デビューしたての写真家、山谷佑介が自ら手がけたという手製の写真集。その名も『Tsugi no yoru e』(次の夜へ)。装丁からして反骨精神というか、怒り狂ったドブネズミが近くで息絶えたヤマアラシの背からハリを1本ずつ抜き取っては自分の背中に植え込んで血まみれになってる的な感じ。 とにかくツンツンした感じがいかにもヤ

          暗黒超新星 山谷佑介が放つ夜闇の世界

          深瀬昌久の残像を追って

          2018年8月10日、深瀬昌久の納骨式を執りおこなった。 2012年の没後、その遺骨は諸事情によって埋葬されないまま某所に保管されてきたが、この7月にいよいよ納骨式が決まった。私はかねてより昌久さんを故郷の大地に還してあげたいと提案してきたこともあって、彼の甥にあたるTさんにお願いをして納骨式に参加させてもらった。 その数日前から関東地方を台風13号が直撃するのではないかと騒がれていた。台風の進路を窺いながらフライト日程を幾度か変更し、旭川に無事たどり着く。それまで北海道

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          「twelvebooks」主宰の濱中敦史さんにディストリビューションという仕事について訊いてみた。

          この記事はウェブメディア「TSK(ちぇっ)」にて2016年3月17日に公開されたものです。「TSK(ちぇっ)」運営&公開終了後も読みたいという沢山のご要望を受け、濱中敦史さんご了承の下、ここに再公開します。 文:トモ・コスガ 春も間近となってすがすがしい昼下がり、或る人物と新宿の喫茶店で待ち合わせをしていた。「twelvebooks」主宰の濱中敦史(はまなか・あつし)さんである。  濱中さんは「twelvebooks」という看板で海外写真集の国内ディストリビューションを

          「twelvebooks」主宰の濱中敦史さんにディストリビューションという仕事について訊いてみた。

          写真は私を盗む

           街でスナップショットを撮ることが問題視され始めたのはこの数年のことだ。その際にキーワードとなるのはもっぱら肖像権である。なぜ人々がこれほどまでに撮られることに対して一定の嫌悪感を示し始めたのかについては、顔認証システムが発達したFacebookを中心とするSNSの在り方を振り返れば理解できることがある。  かつてスーザン・ソンタグは「多くのひとが、写真を撮られる段になると不安になる。未開人のように、犯されはしないかと思うのではなく、カメラに気に入られるだろうかと心配なので

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