30秒の余力
類は友を呼ぶ。書類の上に書類は溜まる。
忙しさを理由に、デスク周りの整理を怠っていたら、あっという間に書類の山ができた。最下層にあったのは、ほんのちょっとの時間があればファイリングできるような資料だった……。
机の上に何気なく置いた書類。二穴をあけてバインダーにとじれば片付くものを、「気が乗らない」「明日の朝いちばんにやれば良い」という程度の理由で、放置してしまった。結果、その上に、次から次へと引き寄せられるように書類が乗っていったのだ。
30秒で片付く仕事を放っておいたせいで、30センチの「書類タワー」が出来上がった。これは由々しき事態である。私としては、これを重く受け止め、今後いっさいこのようなことがないようにつとめたい。と思ったものの、なかなかそうはいかないものだ。
30秒で片付けられるものを放置してしまう、私の心理に作用しているのは一体何なのだろう。おそらく、「考えるのが面倒くさい」、その一点に尽きる。書類を穴あけパンチに挟み、レバーを押し込んで穴をあけ、引き出しを開けてバインダーを出し、表紙を開いて留め具を外し、書類をとじる——。疲れていると、「たったそれだけのこと」が、出来ないのだ。
退社前に、ひとつの書類をファイリングする「30秒の余力」を残しておけるよう、心がけようと思った。
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