劣等感と優越感の外側
以前、マウンティングという言葉をよく聞いた。他の誰かより優れていることを主張する、そんな意味だ。
私だって、心のどこかで思っている。比較できる距離にいる誰かより、自分からにすこしでも「すごい」点がありはしないか、と。劣等感よりも優越感を感じていたい。そんな思考自体、私が劣等感にまみれていることをあらわしているのかもしれない。
でも、よくよく考えてみると、私が身を置きたいのは優越感の中ではない。もちろん、劣等感の底でもない。それらから遠く離れた、別次元に立ちたいのだ。劣等感と優越感の世界から解放されて、全く別の場所で涼しい顔をしていたい。
Z世代と呼ばれる人たちの中には、劣等感と優越感が押し合う土俵から、軽々と降りてしまう人がいる。そんな姿を、私は本当に羨ましいと思ってしまう。
土俵の外側で爽やかさを放つ彼らにもまた、私は劣等感を覚えているのだ。