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自然物を描くことの意味
「なぜ画家は花や風景の絵を描くのだろう?」
子どものころ、それが不思議だった。現実に存在するものを、わざわざ画面にあらわす必要があるのか? 花はそこに完全体として存在しているのに、それをさらにキャンバスに描き直すとはどういうことなのか。
しかし、今あらためて考えてみると、画家がやっているのはただ単に自然物をそのままコピーすることではない。どうやら、自分というフィルターを通すということが重要なようだ。その人の視点を通して、世界を「あらわし直す」ことに意味がある。
その点では、写真も文章も同じなのかもしれない。現実に存在するものを、その人を通してあらわし直す。そうやってできたものは、どうしても人それぞれの個性がでる。だから人は描いたり撮ったり書いたりするのではないか。そもそも彼らがやりたいことは、単なるコピーではないわけだ。子ども時代から30年以上が経った今の私は、とりあえずそう解釈している。