戸棚に一目惚れ
祖母の家を建て替えるにあたり、ここのところ、親族総出で整理をしていた。
祖母の家からは、レトロで可愛い古い家具や食器がわんさか出てくる。祖母には持って行っても良いと言われているが、何でもかんでも持って帰ったら、私の部屋が溢れかえってしまう。昨日は仏壇を置く台に使われていた低い戸棚に一目惚れし、どうにかして自分の部屋に置けないか、夜中まで悩んでいた。結局、今のレイアウトを大幅に変更して、祖母の戸棚を譲ってもらうことにした。
時々、アクセサリーや洋服に一目惚れして、購入を即決することがある。本当に買って良かったと思うものもあれば、もっとよく考えるべきだったと後悔することもある。だから、一目惚れするときは、未来の自分がどちらに転ぶか、多少は気にしているつもりだ。
今回の戸棚も一目惚れだけれど、いつものアクセサリーや洋服とは違った。自分の中の本能みたいなものがはたらいて、絶対に持ち帰るべきだと思ったのだ。
祖母の戸棚は、私の部屋の雰囲気とは少しズレる気がしていたけれど、置いてみると意外としっくりきた。嬉しくて、何度も戸棚を眺めてしまう。戸棚の上に、同じく祖母家からもらってきたノリタケのカップやホーローのポットを置いてみる。とてもかわいい。
この戸棚が仏壇の下になっていたころは、あまり気にしていなかったが、今はスポットライトを全身に浴びてピカピカと輝いているかのようだ。
我が家に来てくれてありがとう! 大切にするから、よろしくね! いま、心の底からそう思っている。