私に合ったスタイル
「どうしていつも、どこか、さみしいんだろう?」
私の書いた文章を読んだ友達に、そう言われたことがある。
私自身は別に「さみしい」と思いながら書いているわけではないし、さみしかった過去を思い出しながら書いているわけでもない。しかし確かにあとで読んでみると、自分でも「なんとなくいつもさみしそうな文章だな」と思う。
あえて言うなら、さみしい感じの温度やテンポの方が、私にとって書きやすく、居心地が良いのだ。
私は、ひとりでぼーっと何かを見たり(これはおそらく「観察」に近いのだけれど)、考え事をしたりして、目にうつるものや自分自身の思考の輪郭を、静かになぞる作業が好きだ。私にとって、その延長線上に「書くこと」があるから、文章がいつもさみしい雰囲気になるのかもしれない。
最近、バトンズの学校の仲間のnoteを読んでつくづく思うのは、文章の「その人らしさ」とは、いくら隠そうと思っても隠すことなんてできない、ということだ。例え同じ内容を書いたとしても、その人の息づかいみたいなものが、必ずどこかにあらわれている。そう考えると、その息づかいがしっくりくる文章のスタイルとかテーマというのは、自ずと決まってくるのかもしれない。
しかし、意外と自分ではその最良のマッチングに気づかないから、「あなたはこういうものを書いてみたらいいんじゃない?」なんて言われると、ちょっと驚くけれど嬉しくなる。
たまには少し気分を変えて、そういったものに挑戦してみるのも良いかもしれない。
補足:ちなみに私は、「現代詩とか、短歌が合うのでは?」と言われたことがあります。現代詩はよく分からないけれど、短歌はちょっと面白そう、と思いました。「書く」というのは、何にしても、簡単なことではないですね……。