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空想癖

近所の文房具店の店先に、子供用の縄跳びが吊るされていた。そういえば、私が子供のころに縄跳びを買ってもらったのも、スポーツ用品店ではなく文房具店だった。小学校では授業の「もちもの」になることがあるから、三角定規やコンパスの類に近い感覚なのだろうか。

安っぽい蛍光ピンクの螺旋が、細いチューブに閉じ込められている。このオモチャみたいな、実験材料みたいな感じが、子供の頃は好きだった。長さを調節するために、縄を少し切ったときの短い切れ端にも、なんだかとてもワクワクした。人差し指と親指でプニプニとつまんでいると、ちょっと特別なものに触れている感じがしたのだ。

幼いころは、特に時間も気にせずおかしな手遊びをよくしたものだ。時間が有限であるということを知ってしまったせいか、今はそんなことはしないけれど。あの手遊びをしている間、私は完全に空想の世界の中にいた。縄跳びの切れ端は蛍光色の液体が入った未来の試験管で、それを光にかざして様子を見るのだ。

手遊びはしなくとも、考えてみると今でも空想癖だけは残っているかもしれない。

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