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私の購買動機

電車から降りたらホームの暑さに無性に喉が渇き、すぐに駅構内のコンビニに入った。クーラーは効いているが、人が多くてムシムシしている。いつもならコーヒーや甘い飲み物を買ってしまうが、脱水症になったら怖いと思い、水を買うことにした。

レジには精算を待つ人が5人ほど並んでいる。列の横にペットボトルに入った水のコーナーがあったので、とりあえず最後尾に並びながら選ぶことにした。水の産地には特にこだわりはないので、こんなときにはだいたい値段が安いものを選んでしまう。値段が同じなら、あとは「なんとなく」だ。

しかし、並んでいた列の進みが思いのほか速く、結局あまり考える余裕もなく私は水を選ぶことになった。思わず手に取ったのは、流線型のフォルムに、かわいいイラストが書いてあるペットボトル。ほぼジャケ買いである。こまかくは見ていないが、価格も一般的なものだった。

なるほど。私のような、水にこだわりのない者には、商品の見た目は購入に直結する。特に、短時間で買うものを選ばなくてはいけない駅の売店や自販機では、効果てきめんだ。とりあえずかわいいデザインにさえしておけば、のどの渇いた時間のない人は、どんどん買っていくだろう。

それにしても私の購買の基準は、実は見た目にあったのか。追い詰められて、初めて気がついた。

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