「いい人でいたい」
「いい人でいたい」という気持ちは、誰の心にも、本能のようにあるのだろうか。
以前の私は、「いい人でいたい」と思っていたから、ふとしたことで人を傷つけてしまった時は、自分自身も傷ついた。そこには「私が人を傷つけるはずがない」という思いがあったのだと思う。他者を傷つけておいて自分が傷つくなんて、今考えてみれば、傲慢なことだったと思う。
現在、私は昔ほど「いい人でいたい」とは思っていない。かなり開き直ってしまっている気がする。その分、自分のせいで誰かが傷つくことに鈍感になっているかもしれない。たとえ偽善であっても、「いい人でいたい」と思いながら、他者を傷つけることに心を痛めていた方が良かったのだろうか。
経験を重ねれば度胸がつく。若いころより図太くもなる。思いやりとか、優しさというのは、それらに反比例するのだろうか。今の私は、「自分の優しさなんて、たかが知れている」と思っている。この考えはどんな作用をするのだろうか。
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