いちばん好きな色
小学生の頃は「好きな色ってなに?」なんて会話をよくしていたが、私はいまだに自分の一番好きな色がよく分からない。
当時は、純粋な好みというより、自分がどんな人間に見られたいかで、好きな色を決めていたように思う。ピンクと言うのは女の子らしくて恥ずかしいし、黄色や緑はなんとなくフィーリングに合わない。ちょっとボーイッシュに思われたくて、水色とか青と答えることが多かっただろうか。変わり者に見られたくて、紫色や群青色と答えたこともある。
今はといえば、好きな色は、ものによって変わる。
iPadやドライヤーならピンクがいいけれど、我が家の扇風機や室内用のスリッパのグレーがかった青も、とても気に入っている。
一番好きな色が何かはよく分からないけれど、大人になった今、持っていて単純にときめく色を、素直に「好き」と言えるようになったことは嬉しい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?