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『#Eぐみに会いに行く。』vol.3 樋口文恵さんインタビュー【前編】 歩き続けて、今ここにいる。

高校時代を共に過ごした同級生たちへのインタビュー企画『Eぐみに会いに行く。』。
今回お話を伺ったのは、樋口文恵(ひぐち  ふみえ)さんです。待ち合わせの場所は、JR山手線・都営地下鉄三田線が通る巣鴨駅前のファミリーレストラン。母校に近く、樋口さんがアルバイトをしていた場所でもあります。

『#Eぐみに会いに行く』
vol.3

インタビュアー・神田朋子

樋口 文恵(ひぐち ふみえ)旧姓・新松(しんまつ)
大学卒業後、IT企業に就職。入社後はネットワークエンジニアの他、AIを活用したチャットボットのシナリオ設計を経験。その後、チャットボットサービスを提供するスタートアップ企業に転職。


夫の単身赴任を機に転職。


神田:
今日はよろしくお願いします!

樋口:お願いしまーす!

神田:私、高校生の頃は「新松しんまつさん」って呼ぶことが多かったんだけど、今は結婚して「樋口ひぐちさん」になってるんだよね?

樋口:そうそう。

神田:今日は「文恵ふみえちゃん」って呼んでもいい?

樋口:もちろん!

神田:今回、文恵ちゃんにインタビューの場所について相談したら、このファミレスを提案してくれて。「絶対ここがいい!」って思ったの。私たちが通ってた高校にも近いし、何より文恵ちゃんのバイト先だったんだもんね?

樋口:そうそう! ほんと、懐かしいなぁ。いろいろ変わってはいるけど。

神田:あとで高校の近くにも行ってみようね。

樋口:うん!

神田:文恵ちゃんは今、都内に住んでるんだっけ?

樋口:そう。

神田:旦那さんと、お子さんと一緒に?

樋口:うん。子供は上が男の子で下が女の子。どっちも小学生。

神田:お仕事はフルタイムでやってるの? 

樋口:うん。でも今はほとんどリモートワークで、実際に会社に行くのは週1回だけ。

神田:へぇ〜。私はリモートワークの経験がないんだけど、自分の家で仕事するのって、気持ちの切り替えが大変じゃない?

樋口:私は全然苦じゃないかな。移動時間が節約できるから、むしろやりやすい。

神田:ふーん。最近はリモートワークを導入してる会社が多いよね。

樋口:うん。私、今の会社に転職したのが2020年の4月だったんだけど……

神田:それって、ちょうどコロナ禍が始まった頃だよね?

樋口:そうそうそう。転職後の会社は規模が小さいこともあって、リモートへの切り替えがすごく早かったの。すぐに家にパソコンが届いて、仕事を覚えるのも全部オンラインでやって……。だから私、入社して半年ぐらい、ほとんど会社に行ってなかったんだ。

神田:へぇ!

樋口:転職前の会社だと、そこまで早くは対応できてなかったかもしれない。

神田:ふーん。そもそも、転職するきっかけは何だったの?

樋口:旦那が2年間、名古屋に単身赴任することが決まって。その間、私が東京で「ワンオペ育児」することになっちゃったんだよね。その頃はまだ下の子が保育園だったから、前の会社で同じように働き続けるのが難しくって。

神田:そうかぁ。

樋口:転職後、最初は時短勤務だったんだけど、リモートワークが中心になって移動時間がなくなったから、フルタイムでも働けるようになったんだ。

神田:なるほどー。


新設部署への参加が今につながった。


神田:
文恵ちゃんが仕事で扱ってるAIとかチャットボットとかって、すごく難しそうなイメージがあるんだけど、就職にあたって何か特殊な勉強をしたの?

樋口:別に大学でIT系の勉強をしてたわけじゃなくて。新卒で就職した後、研修とか実際の現場とかで覚えていく感じだった。最初の仕事はネットワークエンジニアで、古いパソコンを新しいパソコンに入れ替えて接続するような仕事をしてたんだ。デスクの下に潜って、ぐちゃぐちゃになった配線を整理して……そういう所ってけっこう埃だらけだから「掃除機貸してください!」なんて言いながら(笑)。

神田:えー! 意外と肉体労働(笑)。

樋口:そう(笑)。その後、異動もあったんだけど、2人目の子を産んだ後、社内で新しくAIの部署ができることになって。その社内公募に応募したら、4人のメンバーの内の1人に選ばれたの。

神田:え! すごい!!

樋口:いやいや。でも私以外のメンバーが本当にすごくて! 第一線のネットワークエンジニアと、第一線のプログラマーと、第一線の営業職と……。なんで私が選ばれたんだか、よく分かんない(笑)。しかもその時、私まだ時短勤務だったんだよ。

神田:へぇ〜。相当、能力が買われてたんだね!

樋口:そんなことないよ! まぁ、人当たりは悪い方ではないけどね(笑)。でも新しい部署だったから、「それまでの経験を踏まえて」っていうよりは、みんなで0ゼロ地点から試行錯誤してやっていった感じだったな。

神田:なかなか出来ない経験だね。

樋口:うん。もしそれがなかったら、今の会社への転職もできなかったと思う。

AIシステムの入門書。
樋口さんも著者の1人として参加した。


「自分に合っているかどうか」ではなく。


神田:
それにしても、働き方も仕事の内容も、文恵ちゃんに合ってる会社に巡り会えて、本当に良かったね。

樋口:まぁ、希望は叶ってるなぁって思うんだけど。でもなんか、「自分に合ってるかどうか」ってさ、私、よく分かんないんだよね。

神田:どういうこと?

樋口:「あなたの仕事はこれです」って言われたら、よっぽど嫌な仕事じゃない限り、やれちゃうから。合わせられる、っていうか。

神田:なるほど。

樋口:大学生の時の就職活動でね、最初に受けた会社が、書類審査も筆記試験も通って、面接まで進んだんだけど。そこで、「志望理由は?」ってきかれて。

神田:うん。

樋口:そこで私、バカ正直に、「どうしてもやりたくない業種とか業界以外は、受けてみようと思って……御社は特にやりたくない企業ではなかったので」って(笑)。

神田:本当?! それ、よく言ったね(笑)。

樋口:もちろんその面接は落ちたんだけど(笑)。志望理由って、就活生だったらみんな、無理矢理にでもちゃんと考えて行くものなのにね。

神田:正直すぎたね……。

樋口:でも、やっぱり結局それが本心なところはあって。基本的には、なんでも頑張れるんだと思うんだ。

(後編につづく)

(取材日:2023年2月4日)

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