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古典

いまさらだが、夏目漱石の『坊っちゃん』を初めて読んでいる。来週、『坊っちゃん』の舞台である愛媛県の松山の近くに行くことになったのがきっかけだ。

もちろんタイトルや冒頭の1行くらいは知っていたけれど、どんな内容なのかは全く知らなかった。興味を持ったこともほとんどなかったため、簡単なあらすじさえ知ろうともしなかった。

100年以上前に書かれた、もはや"古典"とも呼べる小説。だからこそ、現代に通ずる普遍的な部分も多々あるだろうと思いながらページをめくった。するとこれが、予想以上に面白いのだ。

ひとりで部屋にいる私は、『坊っちゃん』を読みながら声を上げて笑ったりツッコミを入れたりしている。まず、彼と周りの人々とのやり取りが面白い。それらはどこか、私が見たことのある人間関係に似ているのだ。そして坊っちゃんが腹を立てるポイントやその思考回路も、読んでいて吹き出しそうになる。変なところで我を通さずにいられない、真面目なんだか横暴なんだかよく分からない部分が、私自身にも重なるような気がするからだ。

この小説は風刺画のようであり、さくらももこさんのエッセイのような感じもする。おそらく、100年経ってもその中に、自分の知っている誰かを見出せるような小説は、いつまでも愛される"古典"になりうるのだろう。

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