必然的にできる範囲が増えていく「百姓仕事」
私の仕事はこれこれこうです、と一言で言えない生活がここ20年近く続いている。
子どもたちが小さい頃は、基本は主婦で、でも色々やってますと言っていたこともあった。
だんだん子どもたちが大きくなって手がかからなくなってくると、自分の本業がいよいよ分からなくなってきた。
自営業だから基本的にプライベートと仕事の境がない。仕事場は家の一角の一部屋だけど、気分によって家の中をノマドする。
朝はお弁当があるから早く起きるようにはしてるけれど、夜更かしして朝子どもを送り出して、午後イチで寝ることもある。
よくそんな不規則な生活してるね、と言われる。でも、もしこれが9-5時の仕事で、毎朝毎夕満員電車に乗らなきゃいけないとしたら、そっちの方が大変だ。
自営業だから、何でもかんでもやらなきゃいけない。ウチの会社は小さいくせに色々なことをやっているから、現場でも色々なことをやる羽目になる。
プロデューサー、キュレーター、プログラムディレクター、プロジェクトマネージャー、コーディネーター、取材撮影などなど。
どんなことでもやるしかないから、自然能力も上がる(と思いたい)。何よりその都度、いろんなジャンルの方と知り合えるので、ものすごく刺激になる。
だから、飽きることもないし、万年新入生のような新鮮な気持ちで仕事に向き合える。(未だに世の中は分からないことだらけです 笑)
家で仕事をしていると、子どもたちは自然仕事や社会に興味を抱くようで、あれこれ聞いて来る。今何やってるか、どんな人と一緒に働いているか。社会にどう役立っているのか。いいか悪いか分からないが、お金のことやややこしい人間関係のことなんかも、そのままストレートに話したりする。
小さな会社の一役員の話なんかでは、世界のことはカミキリムシの涙くらいしか分からないと思うけれど、それでも彼らなりに何か思うところはあるようだ。
そういえば、昔のお百姓さんというのは、必要とされる仕事を数々こなしていた人たちを指すと聞いたことがある。そういう意味では私たち自営業の人間は、まさに「百姓」だし、これからたくさんの名刺を持つ人たちが増えるだろうと言われていることを考えると、実際には新しい生き方なのかなと思ったりする。
ってことで、来月でウチの会社は10周年。これまで様々な場所で、多くの温かくて素敵な方々に支えてきていただいた。かなりアクロバットもしてきたけれど、素敵なみなさまのおかげで、どうにかここまで続けて来ることができました。心から感謝申し上げます。
これからまた10年、もっとかもしれないし、さっさとへこたれてるかもしれないけれど(苦笑)、これからも多くの皆さんとの出会いを大切に、楽しみに、働いていきたいなと思っています。
アースボイスプロジェクト http://ev-pj.com/