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飲食店を経営する私が、「対話」について学ぶことを重要視している理由

2020年が始まって、日常に戻ってきて、改めて今年をどんな1年にしたいか考えている。2019年はお店としても、個人としても色々な変化があった1年だった。

個人でいうと、「対話」について色々と体験し、学び、実践を繰り返した1年になった。そして、その学びがtiny peace kitchenの向かう方向性を確実に後押ししてくれていると感じている。

ZaPASSでコーチ養成講座を受けて、「コーチング」に出会った。
今まで生きてきた中で、自分がなんとなく信念としていたことや、人と対話をするときに大切にしていたことが、「それでいいんだよ」と言ってもらえた感覚だった。
自分は繊細すぎるんじゃないか、とか。ナイーブすぎるんじゃないか、とか。こんなんじゃビジネスやっていけないんじゃないか、とか。
そうやって不安に思っていた部分から解放されて、自分らしく他者と関わっていくことに肯定的になれるキッカケをもらった。

コーチとしての活動も開始し、15名の方にコーチとして関わらせてもらう中で、クライアントが真剣に自分の人生を生きようとする姿や、自分のありたい姿を模索する姿勢に刺激をもらったし、対話を通じてそういう方々を応援できることは天職なんじゃないかと思えるほどに幸せな時間になっている。

今年は、ガイアックスでNVC(非暴力コミュニケーション)の研修を担当するので、改めてNVCについても学び直している。
NVCというのは臨床心理学博者のマーシャル・B・ローゼンバーグ博士が提唱する、自分の内と外に平和を作るプロセスのこと。
具体的には観察、感情、ニーズ、リクエストの4つの要素に注目し、対話を行っていく方法。
大学院に通っていた頃に、友人であるソーヤ海くんにNVCのことを教えてもらって、だいぶ心がスッキリして、救われた経験がある。
だから、このことをより多くの人に共有していけることがとても楽しみ。

tiny peace kitchenという飲食店を営みながら、なぜそんなに対話やコミュニケーションに力を入れているかというと、tiny peace kitchenの存在目的が、世の中に一つでも多く、良い関係性やコミュニケーションを生み出すことだから、だ。攻撃し合わなくていい、傷つけ合わなくていい関係性を1つでも多く、作り出したい。できるだけ、そういう関係性の中で生きていきたい。

仕事やビジネスになると、比喩的に「戦場」という表現が使われたり、「戦略」という言葉が頻出する。食うか食われるか、みたいな感覚に無意識的に陥ってしまうことが多いんじゃないかと思う。でも、私は勝ち負けとかが嫌いだ。戦うのがとにかく嫌いだ。戦いを略するために、可能な限り工夫したい。私には戦うという本能が完全に欠落している。

だから、極力戦わなくてもいい生き方がしたい。かと言って、山奥にこもってひっそりと孤独に生きていきたいわけでもない。
戦わなくていい関係性をどれだけ作っていけるかが、私の人生の豊かさに直結するとわかっているから、そこに貪欲であり続けたい。

誰しもが自分の人生を、自分自身のモノとして大切に扱うことができたら。自分自身を大切にできたら、相手のことも大切にできるんじゃないか。

コーチとしていろんな方々とお話をしていると、自分自身のニーズに耳を傾けることの難しさに気づかされる。どうすべきという常識感とか、誰かにこう言われたからとかを一回置いておいて、自分自身が気持ちよく生きていくために何が必要なのか。そういうことを問われる機会も少ないし、それ以上に目まぐるしい毎日のなかで、考えることがたくさんあるのだと思う。

まずは自分自身が自分のニーズに耳を傾けて、自分を充しにいくこと。それができればきっと他者を攻撃する必要もなくなるし、より平和的なコミュニケーションを増やしていけるのではないか。

綺麗事と思われるかもしれないけど、私は心の底からそういうことを信じて、対話を学びながら、飲食店を経営している。

なぜ飲食店なのかというと、今までの人生を振り返っても、食卓や料理というのが、私にとっては一番コミュニケーションや関係性について考えるキッカケになっているからだ。農家さんや、調味料を作っている方々からバトンを繋いで、料理をする感覚。誰かのためを思って作られる料理。食事は象徴的に関わり合いについて考える行為だと思っている。

だからこそ、2020年はより対話についての学びを深めながら、もっと実験的に、飲食店として挑戦できることに取り組んでいきたいと思っている。もっと丁寧に関係性を作りながら、tiny peace kitchenの食卓から広がる経済圏を形作っていきたいと思う。

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