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私達のお仕事の中に「話すこと」がある。
あたりまえのようであたりまでなくなっている。
相手の目を見て、伝える、聞く。そしてまた話す。
毎日私達はお客様に、挨拶をして、言葉にしてご案内をしたり、気持ちをお伝えしたりしている。コロナを経験し、口をふさがれ、手振り目ぶりで乗り越えたこの4年間。コロナ禍を経てより「言葉のチカラ」を感じている。

旅館の中では、様々なセクションがチームとなり仕事をしている。
接客だけが旅館ではない。それぞれが1人1人の仕事の引き継ぎを行い、繋げ、おもてなしへとお客様に伝えている。だから、仕事中に黙っていることなんてありえない。何かあれば互いに声を掛け合い、確認、相談、報告するのだ。お客様へも同じだ。お客様の動向をキャッチし、何が必要とされているかを瞬時に把握し、お声をかける。ほどよい距離感を保ちながら。

最近、私が思うことはこの”ほどよい距離感”というのがわからなくなってきているように見えて仕方がないということ。人と人との対面が減り、電話も減り、アナウンスにボタンを押す日常。SNSの自由な発信スタイルに慣れ、相手を思いやるという思考が減ってきているように感じる。

言葉はただ。でも武器にもなる。が、相手を幸せにも出来る。
何から切り出していいかわからないという新入社員の言葉に、誰もができる会話の切り出しを教える。
やっぱり挨拶だ。挨拶ができれば次の言葉も見出せるはず。今日は寒い、暑いと天気のことや、お越しいただいたお客様の地域の話しなど。
はじめから滔々とおしゃべりなんかすぐにできるわけがない。
温泉旅館では、温泉に入る、お料理を食べるというお決まりのアクションがある。まずはそこをポイントに挨拶から流れを作ろうじゃないか!

なぜにこんな初歩的な話しを書いているか、自分でもよくわからなくなってきたので整理しよう。

相手の目を見て、伝える、聞く。そしてまた話す。

そして、感動するのだ。

私達は喜びあるお仕事をさせてもらっている。
そう感じる人が多くなってほしい。
人生の中で出会わないでいたかもしれないお客様と出会うことができ
自分の知らない話しが聞けたりもする。
言葉の力で、感動ある接客をしていきたい。

思いを口にすること。
容易ではない。それぞれの性格も影響すること。
時には臆病になってしまい、言葉を出すことを躊躇してしまうことも。
でも、この言葉ならだれでも言える。
「ありがとう」。
そこに笑顔を添えて。
お越しいただいてありがとうございます、という気持ちを皆が伝えられますように。

それがおもてなしの心となって届くはず。

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