シニアの講習会は自由すぎた!
所属してる団体で、シニア向けの講習会を終えました。
結果から言うと、大成功ーーー!!!
喜んでもらえたのが直接伝わって来て、私もうれしかったです。
テーマは、高齢者の食事。
高齢になると、特に1人になると、食事づくりが面倒になる。
惣菜を買うことも多くなる。それも、栄養バランスを考えてたらいいけど、毎回同じものになりがちとか。
そこに対する工夫や、最近人気のキーワード「フレイル予防」についてもお伝える講習会。市からうちの団体への依頼講習です。
これが、想定外のことが多かったー!
シニア世代のことなので、当日体調不良でキャンセルすることもあるし、天気が悪かったら来られないこともあります、と市のセンターの方から聞いていました。
幸い、開催日は快晴。
午後からの講習会で、私たちスタッフの集合時間は45分前の12時半。
お昼時の集合とあって、早めのお昼を食べて集合っていうのは、私にはハードルが高い。もう少し早めに行こうかと思ったけど、結局12時半ちょうどくらいに着きました。
そしたら、会場の部屋の前に、3名ほどの高年の方が。
もしかして、今日のお客様かも。
これは私も分かります。
小5くらいからギリギリストの私も、40代半ばにもなると、間に合わないと走ったら息が半端なく切れる。心臓もばくばくいう。人はある程度の歳になると、時間に余裕を持って行かないと昔のように急げないんだなと思いました。高年になったら、早めに出ることでゆっくりできるんでしょう。
結局、定刻の30分前になったら、結構ぞくぞくと参加者の皆さんが現れて、早めにお部屋に入っていただくことにしました。開催15分前には8割埋まっていました。
もともと定員15名のところ、色々あり19名受け入れされていて、当日1名キャンセルがあったものの、申し込んでないのに申し込んでるつもりで来た方が2名いました。「高年の方なので、申し込んだのにうっかり忘れてた、ということもあるかもしれません」と聞いていたのに。
今回、うちの団体には珍しく男性の申し込みもあると聞いていました。
うちの団体は、衣・食・住・子育て・家計など、生活に関することを学んだり伝えたりしているので、通常女性の参加が多いのです。センターの方から、男性は2人申し込みがあって、ご夫婦で来られると聞いていました。
でも、そのうちのお1人の男性は、単身で来られていました。
話してみると、奥様が同じ料理ばかり作るから、料理のことを知るために来られたとか。奥様は認知症があるそうです。そうか、この年代は現役時代は家事は奥さんに任せていて、料理のやり方は分からないって方が大半。奥さんがたとえば体がわるくても、口頭ででも教えてもらったらできるけど、認知機能が落ちていたら、それもかなわない。そういうこともあるのかと思いました。やっぱり衣食住は、誰にでも必要なことですね。
フレイルと言えば、
・硬いものが食べれなくなって来た
・お茶や汁物でむせることがある
・外出がおっくうになった
など例を挙げてたんですが、あとでフリートークで話したら、全然イメージが違う。
硬いものが好きで、食欲もありすぎる、という女性がいました。
いやぁ、こういう講習会に来ようという人は元気な方が多いんでしょうね。
フレイルという言葉が最近よく聞かれるようになったから、皆さん関心があるけど、全然元気です。
さて、この講習会では、フレイルとは何か、気を付けたいこと、朝ごはんのヒントをお伝えしたのですが、その後一度でご飯・主菜・副菜が作れる画期的な炊飯器の料理をデモしました。
ご飯に鶏肉を添えて、かぼちゃもつけるワンプレート料理を作るんですが、同じ材料から鶏飯、バンバンジー、かぼちゃサラダの展開もします。最初から調理の展示はせず、料理しながら展示をしていきます。あまりにも手際よく展開していくものだから、そこからのアレンジと気付かず、新しい料理を作っているのだと誤解された方もいたほど。
(作ったのは、私ではありません。料理の手際のいい人が実演してくれました。)
机上講習で作った料理はこちら。
ご飯と鶏肉・かぼちゃは試食の用意をしていたのですが、その展開を見て、それも食べたい!となったそう。「展示してるだけでは、味が分からない」とおっしゃっていたそう。
自由すぎ!
食べ終わったらすぐに紙皿とお箸を回収したけど、早く回収するんじゃなかったー。(環境や資源にも配慮したい私たち。)
まあ、生ものって持って帰るのも大変だから、それはそれでいいかと。
歳と共に、人ってわがままになる、素が出る、と言いますが、ほんとうそれを地でいってた感じでした。
いや、わがままって言っても、不快になるわがままでなくてね、自由で思わず笑ってしまうような感じでした。
実際お客様の中には、「こんなに食べさせてもらって、お金払わないといけないんじゃ」という方もいらっしゃいました。こちらの講習会は市民は無料でした。「いえ、市から助成が出てるから大丈夫ですよ」とお伝えして、安心してもらいました。
センターの方にとっては、参加者の多くはふだんセンターで接してる方だけど、率直に意見を言う様子に、私たちが気をわるくしてないか気を遣ってくださいました。
でも、それは想定内。
講習会をする前から、高年になったらご自身の意見を言いたいという人も多いだろうなって言っていました。
ヨーグルトに小豆ときなこを入れてたんぱく質を摂ることを話したら、「ふだんからしてる」と教えてくれる方。
鶏肉に使ってたタレのこと、「あれはオクラにも合うと思う。講師の人に言っておいて」という方。
「ピーマンを輪切りにして」とレシピであったの対しては、「ピーマンは縦に切った方が繊維の方向に切れて栄養もある」という方。
毎日朝食に納豆とじゃこを食べてるという方。
講習会を聞いて、「あ、これふだんやってる」「こうしてたことは正解だったんだな」と納得できるということはみんなありますもんね。
みんな、これでいいんだと確信したいというのがあるんだと思いました。
気をわるくするなんて、とんでもない。
シニアの講習会って、素の意見が出て、面白いなーって思いました!
帰りに、「テーマがいい。誰が考えたの」と聞いてくださるお客様も。
このテーマはセンターの方が考えたんですが、私たち団体が疲れない食事作りについてお話しようとより深掘りしました。
「いい会だった」とおっしゃってくださる方もいて、直接生の声が聞けて、うれしい!
依頼講習といっても、お話だけの会もあると聞くので、そんな中、話を聞いて、机上講習を見て、試食あって、フリートークでしゃべれてって手前味噌ですが、本当にいい会になったんじゃないかと思います。
今年市が依頼した講習の中で、「ベスト 依頼講習 オブ・ザ・イヤー」なんじゃないかって、勝手に思ってしまいました。
シニアの講習会、私の年齢と離れてるしなぁと思ってたけど、子育て世代でも使える技満載でした。
そして、シニア世代になった方々が素を出して自由すぎな様子がいいな~って思えた講習会でした。