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高年の豊かな生き方を見せていただきました

高年の集まりに行った話、前回の続きです。


お話も面白かったです。

今年は5年に1回の時間調べの年。1日の生活をどんなことに時間を使ったか、分類してグラフにするんですが、それを今まで10回したという方が今までの時間調べを並べて、10年分を棒グラフにしていました。
(有料の会で、個人情報でもあるので、写真を掲載することは控えます。)

うちの団体では、家計簿をつけて人と見合う習慣があるんですが、この方は入会してすぐに時間調べを見合うのにも抵抗あったとか。「正直納得いかなかったのは、自分の家の暮らしを記録し、人と照らし合わせること」と正直におっしゃっていました。私が今の年代で言ったら、お叱りを受けそうですが、この年代になって今までやって来てたからこそ言える本音です。私は時間調べはそこまで見せるのに抵抗はないけど、それでも確かに人からどう見られるかは気になるところ。正直で好感を持て、思わず笑ってしまいました。

この方、家の中を整えるのに、1年に1つずつ寝る前にすることの目標を決めて実行されていったと言う。寝る前の家がスッキリしてると、朝起きた時精神衛生上いいんですよね。

1年目は、食卓のテーブルに何も置かない。
2年目は、玄関の靴を揃える。
3年目は、ガス台・レンジ周り、周りの壁やタイルを拭く。
など。

こちらのグループの講習会に去年参加させてもらった時に、色々教えてもらったけど、こんなに色々なかなかできないと言った時に、「1年に1つできるようにするくらいでやっていったらいいですよ」と言われたのです。そんな悠長なと思ったけど、あれもこれも手をつけようとして何もできてないくらいなら、1年に1つできるようになるのを目指すのでいいのかもしれない。

人は早く変わりたい、早く効果を実感したいと思って、詰め込みたくなるけど(え、私だけ?)、1つずつしかできないのかもしれない。習慣になるまでには時間がかかる。

家族があまりにも「今日の晩ご飯何?」と聞くから、1週間まとめて献立を決めて、書いて見えるようにしているというのもいいと思いました。家族って結構晩ご飯が何か楽しみにしてるもんですね。


うちの会の三種の神器といっても過言ではないくらい大切にしている家計簿の話。(あとの2つの神器は何だ?)
80代になったら高齢者施設にと考えていた女性は、家計簿の記録から、年金・貯蓄・住んでいた家と土地の売買益から費用を充てることを計画。家計簿をきちんとつけてたら、そういう目途も立てられるんですね。入居した施設の個室は18㎡だけど、今までつけた61冊の家計簿は捨てられず持参。

今でも時々見て思い出すとか。
私もこの団体の家計簿ではないけど、結婚当初からの家計簿や小遣い帳があります。何にお金を使ったかの記録って、見ると結構その時のことを思い出す。家計簿がアルバムのような存在になるのは分かる気がします。そう聞くと、家計簿はやっぱり手書きの方がいい気がして来ました。


うちの団体、ある高齢者施設の名前をよく聞くから何だろうと思ってたら、団体から高齢者施設が生まれたそう!(驚)
会員のためだけではないようだけど。
乳幼児や幼児の集まりもしてるし、全国に幼稚園のようなものもある。東京には小中高大学まで一貫の学校があるし、結婚したらこの会へと勧められるし、高齢者施設まであるなんて。まさに揺りかごから墓場まで!
生活に関することが一貫して揃ってる!


大阪から来られた90歳の女性は、皆がその年齢に驚くほどしっかりしている。夫が59歳で急死してから家から出られなかったところ、若い人のための料理講習を会で頼まれ、それを23年も続けていたら、地域の社会協議福祉会からも1人暮らしの方のお弁当作りを頼まれて13年継続、地域のカルチャー教室からも頼まれて月1の料理講習が15年続いてるという。週3回の仕事をしつつ、この会と、地域のことと。若かったというけど、パワフル。

この方も、積み重ねの大切さを語っておられました。
「三度実践でノートいらず」
積み重ねで力がつく、と。

コロナ禍では、87歳でガラケーをスマホに変え、周りの人に頼まれ、オンラインの料理講習を。周りの若い世代が、カメラ、パソコンに取り込み、配信を担当し、年3回の講習を続けて3年目。
スマホをガラケーに変えたのも、自分のためだけでなく、人の役に立てたことを喜んでおられる。

料理をする時は楽しく。食べてくれる人の顔を思い浮かべて。
講師は輝いていないとと言われたが、それなりに健康だと輝いて来る。
ゆるやかに生涯現役で、と言われたのが印象的。


洋裁が得意な方は、何か仕事をと思った時に、洋服のリフォームをすることにした。そうすると夫が看板を家の庭に立ててくれた。ご主人は長男が社会人になってから亡くなられたそう。看板は今では4代目になり、次男が作ってくれたという。
阪神大震災を経験し、東日本大震災、能登半島地震を見て、ものはいらないと実感。たくさんの貯金はないが、元気で健康に暮らせたらと願い、今はヨガ教室とパン教室に通う。好きなことは力になる、と言う。


こう高年の方の生き方を見せていただいていると、豊かな人生を送ってらっしゃるなと感じました。
自分にとって大切なことに時間を使う。
習慣にしたいことは一歩ずつ。

そして、最後まで生涯現役。


高年だけの集まりにしておくのはもったいないくらいでした。
この会の特徴は、すごい人が出て来て話すんじゃないんですよね。
ごく普通の人が話す。それも何人も。
その生き方が、真似したかったり、学びがあったり。


この会の人、時代が時代なら起業家じゃないか。
自分が好きなこと、夢中になることをしていたら、得意になって、得意になったら人からも教えてって頼まれて、それを続けていくようになった、仕事になった。
これって、理想的な仕事の始め方じゃないか?

昔はこんな風に、仕事ってだんだん仕事になっていったものなのかもしれない。本来誰しも皆、何かに興味を持ち、何かの能力が開花して来る。
必要で始めた人もいる。
昔の雑誌に、家計を助けるために庭でにわとりを飼って、卵を売っていた主婦が載っていた。

この会の人は、家で英語教室をしていた、ピアノ教室をしていた、という人もいる。料理しているうちに料理教室をして、今ではライブ配信もしているってまさに起業。

今は「起業」という言葉ができて、一部のできる人がするものとハードルが上がった感じがする。そんなことより、安定した収入を得られる会社勤めの方がいいと。

でも、そういう風に社会が持って行かれてしまったのかもしれない。
本当は、みんな仕事ってこういう風に始まったのかもしれない。
そういうことも感じた高年の集まりでした。



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