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タイパ志向が市場を変える、文化を変える

百均で、スナップボタンを探している高齢の女性を見かけた。
店員さんに聞いていたが、「ボタンはここにある分だけですね」と言われていた。

手芸や洋裁をしている人なら分かると思うが、ボタンとスナップボタンは一緒ではない。説明、雑やなと思いつつ。

ふと見ると、私がいつも使うプラスナップがあったから、「ここにスナップボタンありますよ」と伝える。


その店はダイソーではなかったけど、
これは以前ダイソーで買ったもの

そしたら、「これだと穴が開くでしょう」と言う。
一度、穴を開けたら、スナップボタンを外すことはないからいいのでは?と思いつつ、「穴が開いたらダメなんですか」と聞く。

どうやら、高齢の女性は、お孫さんの人形の服をニットで作っていて、それにスナップボタンを付けるようだ。だから、もっと直径が小さくて、手縫いで付けられる昔ながらの金属タイプのものを探していたのだ。生地に穴が開く心配というよりかは、ニット生地だから密度がゆるいから穴が開いてるほうなものだから、金属スナップがいいということだったのだ。

金属のスナップボタンは、1つのボタンにつき、4か所糸をくぐらせるところがある。初めてプラスナップを見た時は、生地に穴を開けるだけで他に器具いらずでスナップボタンを付けれるなんて、なんて楽なんだと思った。それに比べると、金属スナップはプラスナップがない時に使う感じだった。

プラスナップは、要は時短できるんですよね。
最近はタイパとも呼ばれるが、タイムパフォーマンスがいい。
(かけた時間に対する成果があるということ。)
ただ、プラスチックを使用するという意味では、エコではない。一度付けたら外して再利用することも難しい。

金属スナップは、私の亡くなった大叔母もしていたが、糸切りバサミで外しておいたらまた使える。昔の人はそうやって再利用したもんなんだと思います。環境にやさしいのです。
(サムネ画像は大叔母から譲り受けた昔のもの)

女性に「今は手間がかからない物が求められるから、ないのかもしれませんね」と言う。女性いわく、百均によってはあるらしいが。
そして、そこには向かいに手芸店があった。
手芸店なら、もう少し値段は上がるけど、必ず金属スナップは置いてるだろう。

私もだけど、こうやって時短を求める人が増えたから、金属スナップが売られてなくなっていくんだろうな。こうやって、昔あった当たり前のものや文化がなくなっていく。

人の意識が販売されるものに影響するんだな。
一度なくなったら、そう簡単に復活しないんだな。

私もプラスチックであることは目をつむり、楽な方を選ぶ方なんだけど、そういう風潮が、この女性の求める金属スナップボタンの行き場を失わせることになってると思うとやや寂しい。

今の時短を選んでプラスチックを選んだけど、これが将来に渡っていいかは分からない。プラスチックは経年劣化で割れる、変色する、わきがみたいな匂いがする時がある。数年後には、金属スナップにしとけば良かったと思ってるかもしれない。思わないかもしれないけど、環境にいいのは金属スナップを使い、再利用もすることであることだけは確かだ。

そんなことを考えた日常の一コマでした。


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