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人生の勘定書

所属している全国友の会では、集まりがある時は毎回読書をします。友の会を作った日本初の女性ジャーナリスト・羽仁もと子の著作集を読み、感想を聞き合います。

この前の集まりでの読書は「人生の勘定書」。
羽仁もと子著作集第4巻からです。

著作集の中に、こうあります。

責任ある支配者の手によってなされる勘定書は、その計算に間違いがなく、その提出される時機の選定も、我々の実力を我々自身の知る以上に、正しく測定された上のことでなくてはならない道理であることが分かれば、渡される勘定書は、必ず支払わなくてはならないものであり、また支払い得べきものであることが信じられる訳になります。

思想しつつ 生活しつつ(下)

責任ある支配者というのは、神様ということだと思います。
羽仁もと子はキリスト教だったので、この世を支配する者というのは、キリストや神様という意味で言っています。人生の勘定書は運命とも取れるかもしれません。
(ちなみに友の会では、讃美歌を歌ったり、聖書の一節を読んだりしますが、キリスト教信者とは限らないというところが面白いです。)


勘定書というのがどういうことかよく分からなかったけど、よく
「人生は帳尻が合うようにできてる」
と聞きます。そういうことかなと思います。

要は、やっていることは報われる、やっていなければ報われないというようなことかと。

つい最近、本屋さんで見かけて気になって買った本があります。
「君はなぜ働くのか」という本です。


ちょうど長女が学校から職業体験で本屋さんに行っていて、その様子を見るつもりで行って、立ち読みをしていました。長女も体験とは言え働くことをし始めた時期だし、私もこれからどう働こうかと考えてたところ。娘を見がてら立ち読みのつもりが、思いがけず良くて、買いました。

ちょうど、自分が所属してる友の会では地域ごとに分かれた方面という30人ほどのグループのリーダーを任されていました。何か係はしないといけないと言われるものの、出席回数は増えるし、やりたくないと思ってたけど、義理で引き受けたようなものでした。

やりたくない上に、年度始めから精神的にしんどいことがあり、人をまとめてグループを運営することの難しさを感じていました。
その上、今年は市に登録している団体として、3年に1回の更新手続きがありました。それが難しい!

年度始めに新旧リーダーと、新旧会計で決算書を確認したけど、それを簡易的にまとめたり、会の目的や社会にどう貢献していくかを書かないといけない。

前回の控えはあるけど、その申請がどの書類か解読したり、どことどこを足してこの数字になってるか理解するまでにすんごく時間がかかりました。

どこか後ろ向きな気持ちでやってるから余計に進まなくなる。
人って心におもりがあるとできないようになってるなー、と思いました。

その時、思いだした言葉が、

真剣だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳ばかり


昔、アパレル関係の会社で働いていた時、得意先のオフィスに筆書きで書かれていた言葉でした。

私はまさに、中途半端な状態でした。
引き受けたからには責任を持ってやる気持ちはあるけど、会の運営となると、人を新しく入れたり、みんなをまとめたり、会が勧める家計簿を広めることなどに積極的に関わっていかないといけない。

私、そこまで、これを広めたいって気持ちがないんだけど……。
自分の生活をより良くしたいという気持ちはあるけど、それを人に勧めようとまでは思わない。

その上、年度始めに人間関係のトラブルもあったもんだから、モチベーションが上がらない。責任があるから辞めずに頑張るというので思い留まるので精一杯。

今の状態は、まさに中途半端だと愚痴が出るという状態。

そこで前述の「君はなぜ働くのか」に戻るのですが、この本に書かれていたのが、辞めようと思った時に取る行動。
これは任意団体なので、お金を得て働くのとは違いますが、あらゆる意味での働くと捉えて。
辞めようと思った時は、3か月がむしゃらに働く、とありました。
そうしたら、そこから自分に力がついて辞めたとしても次のところでうまくいったり、逆にやめなくても今の場所でよりよく働けることもある、というような趣旨が書いてありました。

逆に、すぐにでも辞めた方がいい状況として、困ってることを伝えたのに、何も対処してもらえなかった時とありました。
私は「運営が難しくて困ってる」と言いました。言った時、次の会では会をまとめようと手助けしてくれた人がいました。

こういうことがあったから、今は踏ん張る時と思えました。

中途半端だと愚痴が出る。

真剣だと知恵が出る、にステップアップできるか。


「人生の勘定書」には、こうあります。

現在を正しく暮らすこと、
それ自身が未来のためによき宿命をつくることになるからです。

人生の帳尻が合うかなんて、最後のことは分からない。
今は今を一生懸命生きるしかない。

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