グレタさんの2019年9月23日国連気候サミット スピーチ全訳
16歳のスウェーデン人環境アクティビスト、グレタさんの国連気候サミットでの圧巻のスピーチ。検索してみましたが全訳が見当たらないので、「勝手に翻訳シリーズ第3弾」グレタさんの国連気候サミットスピーチを翻訳してみました。
↓スピーチの映像はこちら
グレタさんがたった一人で始めた気候変動対策を求める抗議活動は、多くの若者の共感を得て、今や世界 150 ヵ国以上に広がり、各国政府の対応に大きな影響力を及ぼしています。サミット直前の9月20日(金)は、世界163ヶ国で400万人が参加しデモ行進や集会が行われました。日本でも23都道府県で5000人が参画、私が住む白馬村でも、高校生3人の呼びかけに応じ、120人の住民がマーチに参加、白馬村役場には180人が集まり、高校生が白馬村の下川村長に気候非常事態宣言の発令を求める要望書を提出しました。
若者は動き始めました。この状態になるまで二酸化炭素を排出し続けてきた私たち大人は何をしているのでしょう。
グレタさんのスピーチ全訳です。
私のメッセージは、「私たちはあなたたちを見ています」ということです。
全てが間違っています。私がここでスピーチをしていること自体がおかしいのです。私は海の向こう側で学校に通っているべきです。それなのに、あなたたちは私たち若い人に希望を求めます。あなたたちは私の夢と子供時代を空っぽの言葉で盗みました。それでも私は恵まれている方です。苦しむ人々、命を落とす人もいます。生態系全体が崩れつつあります。私たちは今、大量絶滅の危機にあるのに、あなたたちはまだ、お金と、永遠に続く経済成長というおとぎ話のことばかり話しています。なぜそんなことが出来るのですか。
30年以上もの間、科学は明確に危機を伝えてきました。それからずっと目を背け続けたにもかかわらず、そして政治的な動きも解決策も何もないというのに、出来ることはやっているなどとここに来てどうして言えるのですか。あなたたちは、私たちの言葉を聞いているし緊急性も理解していると言います。私はどんなに悲しく怒りを感じていても、その言葉を信じたくありません。なぜなら、あなたたちがこの状況を理解しているのに行動を起こせていないなら、あなたたち大人が邪悪ということになるからです。私はそう思いたくありません。
10年間で二酸化炭素排出を半分にすることがよく目標として挙げられますが、これにより、温暖化を1.5度以内に抑えて人間による抑制が不可能な連鎖反応を避けることが出来る可能性は、50%です。50%はあなたたちにとっては許容範囲かもしれません。しかし、これらの数字には、(温暖化が急速に進む)転換点やフィードバックループによる温暖化の加速、大気汚染による更なる温暖化のリスク、公平性や気候正義などは反映されていません。しかも、大人が排出してきた何千トンもの二酸化炭素を大気中から吸収するためのまだ存在しないテクノロジーを私たちの世代が開発することを計算に入れているのです。ですから、50%の失敗のリスクは、その結果と共に生きなければならない私たち世代には、とても受け入れられるものではありません。IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)によれば、67%の確率で温暖化を1.5度以内に抑えるために排出しても良い二酸化炭素量の上限は、2018年1月1日時点で420ギガトンでした。今日、その数字は、350ギガトンまで減っています。なぜ大人は、この問題が今まで通りのやり方に技術的な解決策を加えれば解決できるふりをしているのですか。現在のレベルで二酸化炭素排出を続ければ、8年半で排出しても良い量を使い切ってしまうのです。今日、この場で、これらの数字に対する解決策や計画が話し合われることはないでしょう。なぜなら、これらの数字は大人にとって不都合すぎるので、ありのままの現状を話す勇気が大人にはないからです。
あなたたちは私たちを失望させています。若者はあなたたちの裏切りに気付き始めています。未来を担う全ての世代があなたたちを見つめています。私たちを裏切ることを選ぶなら、私たちはあなたたちを決して許さないでしょう。このままで済むと思わないで下さい。たった今ここに私たちは一線を引きます。世界は目覚めており、あなたたちが好むと好まざるとにかかわらず、変化は起こっているのです。
ありがとうございました。
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