海外旅行記⑦現地で、自分が異物、浮いた存在に感じた
旅行中、自分が異物として浮いているような感じがした。周りと繋がりが一切ない状態だからだと思う。
来る前は、「日本は全部が綺麗で、整っていて、気が行き届いていて、便利で。だからこそ、細かいことを気にしすぎて、ストレス社会で、精神病が溢れているんだ!日本なんてクソ喰らえ!」なんて思っていたのに、現地では、日本の愛着のある物が沢山、脳内を巡った。
行きつけのお店、焼き鮭、そこそこ美味しいコンビニ食、いつも通る道、夕焼け、家族、職場の人、東京の空気、ダサくてつまらないふるさと的情景、街によって異なる雰囲気を出す東京、ゴミ一つ落ちてない街…
海外では、
空港に降りたった時の匂いも違う、スーパーとか市場の臭いも違う、ハンドソープの匂いも違う。
食べ物は基本あんまり美味しくない。例えば、日本のコンビニと現地のスーパーのサンドイッチを比べてみたらわかる、乾燥しててペラペラなのだ。
道はガタガタしている。
物乞いの人は、積極的に声をかけてくる。
近寄らない方が良いかもしれない人が一杯いる。
ゴミ箱の前は発酵臭が漂う。
時々、街角で、おしっこに雑菌が沸いた臭いがする。
絶対、動物の落とし物ではない、人糞だろうという物が落ちている。
サービス業の人は皆、仏頂面である。
日本にいて、「これが日本の悪い所だ!」なんてブツクサ唱えてるポイントをも、懐かしく思ってしまった。
普段、日本で、海外かぶれの趣味をする自分なのに、「まさかかからないだろう」と思っていたホームシックが発動してしまった。
現地のホテルでは、寂しくて、日本人のpodcastを聴いていた。
帰りの飛行機内では、日本では滅多に聴かない邦楽を聴いていた。
日本の緻密な文化が素晴らしいと思った。
周りが閉じられた1つのミニチュアハウスが極東に浮かんでいるようだと思った。
日本を海外からの旅行者と同じように楽しみたいと思った。日々に、げっそりして、スマホ片手に、吊り革にぶら下がっているのではなくて、もっと日本をエンジョイしなきゃと思った。
海外に住んでいる人は「住んでみれば意外と住めるものですよ」と言うが、私には難しいと思った。暫く経つと友達ができるのだとしても、それまで暫く「異」として暮らすなんて、私にはできない。
国際結婚、または、駐在などで海外でお住まいの方。すごいです。