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小さな芸術家の涙が教えてくれたこと

こんにちは。こころと子ども研究科ともこです。

先日、息子と遊んでいた時のこと。

一緒にぬり絵をしようということになったものの、息子は私に

「ねえ、ママぬって!」

というばかりで、一向に自分で塗ろうとしないのです。。。

甘えているというより、頑なに拒否している感じ。

もともと絵を描くのは好きな息子なので、

「むむむ?」

と思った私は、聞いてみました。

「保育園で、お友達に何か言われたの?」

すると、

「ぐちゃぐちゃに描いちゃダメだよ!って言われた…」

と言うなり、涙ぐんだのです。

「ああ、そういうことか」

と納得した私。

息子は、絵を描くことは大好きなのですが、指や手首の動きがまだ不器用で、

同年代の子と比べてだいぶ「描く」という動きの発達がゆっくりです。

1~2年は、遅いと思います。

もう他の子は、線の中をきれいに塗っていて、人物画なども描いています。

でも息子は、丸を描いたり、顔らしきもの(目と鼻と口とか)を描くのがやっとで、あとはぐちゃぐちゃっとした「線」で描いています。

でも、頭の中のイメージを紙に描くということが楽しいようで、いろんな作品を描いて持って帰ってきて、

「これは〇〇だよ!」

と教えてくれるのです。

絵に描かれているものはぐちゃぐちゃの線でも、息子の頭の中にはしっかりとイメージがあって、それと一緒に絵を見て楽しんでいるようです。

でも、お友達に言われた一言で、ショックを受けたらしく、

自分の好きなように絵を描くこと、ぬり絵をすることに許可が出せなくなってしまっていました。

たった4歳でも、こんなに周りの一言に影響を受けるのか。。。

息子の気持ちを思ったら、私も涙が出てきてしまい、息子をぎゅっとハグしました。

そして、

そんな風に言われて、描きたくなくなっちゃったんだね。

でも、絵は好きなように自由に描いていいんだよ。

友達になんて言われても、ぐちゃぐちゃでも、自分が描いた絵が好きならそれでいいんだよ。

ママはあなたが描く絵が好きだし、見せてくれると嬉しいんだよ。

ということを伝えました。

しばらくすると笑顔になって、お休み明けに保育園に行った息子は、たくさん絵を描いて持って帰ってきました。

その中の1枚は、両面にママとパパの顔がそれぞれ描かれていました。

紙そのものが輪郭で、その中に目と鼻と口が描いてあり、象形文字のようなものがいくつか描かれていました。

なんて書いてあるのか聞いたら、

「ママのこと絶対に忘れないよ」って書いたの。

と。

その真意はわからないですが、また絵を描くことを楽しめるようになったのが伝わってきて、涙が出るほど嬉しかったです。

これが芸術、アートだな。

って思うのです。

「描きたい」=「表現したい」と思うものがあって、それを心のおもむくままに描く。

形が整っているか、色はきれいか、とか関係なく、自分の内側にあるものを表現する。

それが原点なんだよな、と。

プロとしてやっていくのであれば、それ相当の技術が求められることもあるのでしょうけど、

描かされる絵、正しい絵

は、「芸術」というより「ドリル」のようなものだな、と。

また、子どもが見ている世界が、必ずしも自分と同じとは限らないということも覚えておく必要があるなと思うのです。

いわゆる「目に見えない」ものが見えている子は、私たちとは違う色を見ているかもしれない。

オーラや光で、物の輪郭も違って見えているかもしれない。

(これは実際、私の知人がそうだったそうです)

だから、絵を描いた時に、自分が見えているものとは全然違うものが表現されるかもしれない、と。

表現したいものがあるということ。
それを表現するのが楽しいということ。

それって、それだけでとても素敵なことですね。そして、最高の芸術!

そして、息子に伝えていることは、私が自分に伝えてあげたいことでもあるんだな、と思いました。

息子を通して、とても大事なことを思い出させてもらいました。

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