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起きてる?寝てる?Waking Life

映画の世界観がほぼ夢の中の意識状態。もし観た後に、セリフを覚えていなくて、「何言ってたんだっけ?」となったら、これを観た後はまるで睡眠時の夢から覚めた時のあるあるです。だけども、あれ、どっちが夢でどこが現実なんだっけ?って思ったら、それこそ、この映画を観ただけあるねって言えるかもしれません。映画の中で、夢の中の話なの?どこがリアルとして見ればいいの?と身の置き所がずっとどこか定まりません。

リチャード・リンクレイター監督の2001年の作品、『ウェイキング・ライフ』。実写映像を撮影しそれをデジタルペインティングで加工したアニメーション映画で、イーサン・ホークなどの俳優がアニメーションで登場します。

映画”before sunrise(恋人までの距離)”の二人が登場。前世の記憶や、集合意識、1分間にとても長い夢を人は見ることができるなどなど、そんな話をピロートークで話しているシーン。

内容は終始哲学的で興味深いけれど、主人公らしき青年がいろんな人に会って、そんな話を聴き続けるという、最初から最後まで楽しんで観る人は実はごく一部かもしれない映画ですが、どこをとっても興味深く面白いともいえる映画。

上の予告編でも分かるように、映画はゆらゆらと背景や人の一部が揺れていたりと、どこか不安定な世界を見せています。それが気持ち悪いと視覚的にも見れない人もいたりするのかもしれません。

私がこの映画に惹かれたのは、いくつか理由があって、究極の癒しが私にとってはそこにあったこと。それはこの半分非現実の世界観。幼いころから私はこういう世界に片足を突っ込んでいたのだと思うのですが、そうだということを客観視できず、語るすべを持っていなかった。人にはそういうことがあるものだと思います。それが自分の生の一部で当たり前だと、それを目の前に置いて客観的に見ることができておらず、”そうあること”自体しっかりと受け止めていたり認めていない、という状態に自然に陥っている。”それ”を客観視できた時、それが”ある”ことが許されます。

”ある”ことが許されるのは、最大の許しと癒しなのだと思います。良いか悪いか、正しいものとして認められるかどうかはその次の話で、まず”ある”ことを認められるということが、最大の癒しです。共感で人が癒されるのは、”ある”ことが許されたと感じるから。

この映画での音楽はトスカ・タンゴ・オーケストラ - Wikipedia。音楽もまた素晴らしい。とても心地が良く響きます。
彼らの音楽シーンも描かれています。

映像が、ゆらゆら~ゆらゆら~です。

心地よく流しておける、大好きな曲のひとつです。


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