さよならインターネット - まもなく消えるその「輪郭」について - 家入一真
【ポイント】
・以前まで、インターネットと現実世界は住み分けられたものであって、現実世界でスクールカーストの底辺にいる人の駆け込み寺要素があった
・著者はブログ業界、ホームページ制作にいち早く参入していた。→その後、レンタルサーバサービス「ロリポップ」を立ち上げる
・著者はITベンチャーを起業し、数億もの資産を築き上げる。その後、喫茶店経営に携わるが、上手くいかずに殆どの資産を失う。
・ITベンチャーの経営者が喫茶店経営をするケースは多い。オンライン内のコミュニティでは得られない刺激を求め、オフライン内のコミュニティ形成に携わる
・喫茶店経営に失敗後、シェアハウスサービス「リバ邸」、クラウドファンディングサービス「CAMPFIRE」を立ち上げる
・現在のインターネットには情報が溢れ返っている。だから、キュレーションサイトが台頭するようになるのだが、それが返って情報を得にくい状態を作り出している
・AI、IoTが発達し、インターネットはより身近なものになった。Amazonでは、自分が欲しいと思う商品が自動で表示される仕組みが整っている。とても便利だ。しかし、そのリコメンド機能の発達により、我々で情報を取捨選択することが難しくなってきている。
【感想】
著者が言うように、私自身もインターネットが水のような存在になってきている事を実感している。
私が小学生の時は、インターネットに接続するハードルが非常に高く、情報を得るにはオフラインの世界で自力で獲得する必要があった。
一方、現在はその努力をする必要ない。コンピューターが欲しい情報を勝手に出してくれる時代になった。とても便利だ。
しかし、これが良いことかと言われると必ずしも肯定できない。
自分で情報を得ていた時代には、その過程で思いがけない情報との出会いがあった。
まさに、人生を変えるかのような。
著者はこれを「偶然性」と呼んでいる。
いまの時代、必要なのは偶然性を取り戻すことなのかもしれない。