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お菓子のスタートアップBAKEのマーケティングトレース

本日は、焼きたてチーズタルトBAKEのマーケティングトレースです。

このトレースのために新宿ルミネにあるBAKEにフィールドワークに行ってきました。

BAKEの特徴を先にお伝えすると、

「1ブランド1プロダクト」×「工房一体型」×「駅ナカ」

の3つです。

※後ほどご説明します。

上記3つの要素は、写真の中に全て含まれています!

左側にあるのがあチーズタルト専門店BAKE
右側にあるのがスイートポテト専門店「POGG」

どちらも駅ナカ、工房一体型、シンプルな1プロダクトです。

※写真のイメージを残したまま、このマーケティングトレースを読んで頂けると、BAKEの戦略を頭に残しやすいかもしれません!

それでは早速はじめていきます!


BAKEはお菓子のスタートアップ?

BAKEは普通のお菓子屋ではありません。

それは、売上の成長角度を見れば一目瞭然です。

4期で売上規模は1億→90億に成長しています!

お菓子のスタートアップと自社を喩えているBAKE。

スタートアップ
=急激な成長を前提として事業をつくっている

つまり、BAKEは「グロース」を前提としたブランドであるということです。

投資:毎年1ブランド→20~30店舗展開を目指す
採用:毎年50人~100人規模を増員する

BAKEの組織文化は「スタートアップ」で将来的なIPOを目指して組織やビジネスモデルがつくられている。まずここは抑えたいところです。

マーケティングトレースをすると、BAKEは、一般的な洋菓子屋とは異なる戦略、投資をしていることが見えてきます。

世界とIPOを目指して、お菓子業界の常識にとらわれずに市場創造しているのがBAKEであることが下記の記事に書かれています。

マクロ環境分析

まず、BAKEの属する洋菓子市場のマクロ環境を分析を行います。

PEST分析

PEST分析からの考察
=BAKEは市場トレンドを先読みして適応してきたブランドと言える

5Force分析

続いてBAKEを取り巻く業界の構造を読み解き、BAKEが業界内でどのような位置にいるのかを読み解いていきます。

5Force分析からの考察
・BAKEは歴史あるお菓子メーカーとは真っ向勝負しない新規参入者

バリューチェーン分析

社会や市場の変化に適応しながら、業界の常識を覆したビジネスモデルを築いているBAKE。

BAKEが具体的に、どのように消費者に価値を届けているのかを読み解いていきます。

以下はバリューチェーンを図解したものです。

データ(テクノロジー)をフル活用して、バリューチェーンを最適化。
ABテストを繰り返すという、まさにデジタルマーケティングの世界でお菓子の世界で再現されている!

既存の洋菓子ブランドがパティシエの存在をメインで考えるのに対して、BAKEはブランドとテクノロジーの力でポジションを確立しているのです!

4P分析(マーケティングミックス)

ミクロなマーケティング戦略を4P分析から読み解いていきます。

計算され尽くされたマーケティングミックスから、差別化を計っていることがわかります。

駅ナカ、工房一体型、シンプルな一つ200円の商品構成なので、
店舗の運営効率は高いモデルになっています。

行列さえも楽しみに変える店舗体験

店舗体験は、下記のフレーズに集約されている。

BAKEの店舗には行列ができていますが、行列さえも楽しみに変える力をもっているのがBAKE。

工房一体型店舗による、五感に訴えかけるおいしさの演出。鉄板に並んだ焼きたての商品を目で見て、においをかぎ、焼き上がる音を聞き、まだ温かい商品を受け取る。

ポジショニングマップ

BAKEのポジショニングを整理すると、
・高級洋菓子店
・お手軽な洋菓子(コンビニスイーツ)
とは一線を画していることがわかります。

BAKEはちょっとした自分へのご褒美というポジションを築いているという仮説です。。

コミュニケーション戦略

THE BAKE MAGAZINEというオウンドメディアで、ブランドストーリーを伝えていることは有名な話です。

デジタルの顧客接点づくりは、ブランド立ち上げ時から重要視しており、ティーンネージャーも取り込む施策を動かしていますね。

2105年に塩谷舞さんが編集長に就任して動いていたことで注目を集めていました。

オウンドメディアは編集長大事!

BAKEはテクノロジーやデザインがお菓子業界にインパクトを与える会社としての認知を獲得するために、組織文化や経営方針含めてオウンドメディアで発信を行っています。

対ユーザー向けは、やはりInstagramが強い。

BAKEの成功ポイントまとめ

今までの洋菓子メーカーの常識は下記のような点です。

今までの洋菓子ブランド
1. パティシエありき→育成コストがかかる→成長曲線が鈍化する
2. お中元やお歳暮需要→季節変動あり→安定性が低い
3. 地銀やメガバンクからの借り入れ→設備投資→成長しにくい

BAKEは洋菓子メーカーの常識にとらわれずに、スタートアップ発想で新たなマーケットを創造することに成功!

BAKEブランドの成功ポイント要約
1. 1ブランドにつき1アイテムに絞る→オペレーションコスト下げることに成功→ブランドイメージを確立
2. 「焼きたて」だから、在庫を抱えないビジネスモデル→ロス率が低い
3. ターゲットは、ティーンでSNS主導なので広告宣伝費は過剰にかからない
4. オウンドメディアにファンを惹きつけ→広げ続けるブランドに顧客を流す
5. 価格が200円と手軽で、ちょっとしたご褒美として購入できる

主要なポイントをまとめます。

BAKEの成功要因を要約

もし自分がBAKEのCMOだったら?

BAKEは成長戦略の描き方、店舗体験のつくり方、全て素晴らしいので、BAKE社が保有している他のブランド資源との組み合わせ案を考えてみました。

BAKEの他ブランドとのセットメニュー作成
BAKEはチーズタルト以外も複数のブランドラインをもっているため、その組み合わせメニューあったらファン層には人気が出そう+Instagramとの相性良さそう!

自分がCMOだったらのアイデア

ここまでのトレースをもとに写真をみると、BAKEの戦略が理解できるのではないでしょうか?

スタートアップの発想で製菓業界の常識を覆す!世界と戦う!

BAKEは今後の日本企業がマーケティング戦略を考える上で大きなヒントを与えてくれるブランドだと感じています。

ぜひ、皆さんもBAKEをお土産に買った後に、マーケティング思考を磨いてみてください!