マーケティングのパターン・ランゲージについて
マーケティングの世界でパターンランゲージをつくれないかと考えており、絶賛開発中です。
マーケティングトレースを行う中で、市場創造している優れたマーケターがどんな思考パターンをもっているかを考えてきました。
その思考パターンを可視化して、マーケティングを行う人全員が活用できるようにしたいと考えています。
現状のプロトタイプはこちらです!(ほぼわからないと思うので、この後に解説していきます)
目次
①パターンランゲージとは何か?
②なぜパターンランゲージがマーケティングの世界に必要だと考えたのか?③マーケティング・パターンのプロトタイプ公開
本日は、この3つについて書いていきます。
①パターンランゲージとは何か?
パターンランゲージとは下記の要素を満たしたものです。
・成功の経験則を記述したもの
・成功事例の中で繰り返し見られる「パターン」を抽出したもの
・抽象化を経て言語(ランゲージ)化されたもの
・センス、コツなどの暗黙知を他者に共有しやすくしたもの
パターンランゲージを日本で普及させたSFCの井庭先生によるワークショップスライドがわかりやすくまとまっています。
パターン・ランゲージの本を読み漁りながら、パターン・ランゲージとマーケティング・パターンについて考えたメモ(グラレコもどき)もご紹介しておきます。
パターン・ランゲージの目的
パターン・ランゲージの活用目的は複数あるようですが、自分がマーケティング・パターンでも活かしていきたいのはこの2つです。
①認識のメガネとしてのパターン・ランゲージ
②コミュニケーション語彙としてのパターン・ランゲージ
パターン=成功の経験則が記述化されたものがあるから、全体像がわかり、コミュニケーションがとりやすくなる。
このパターン・ランゲージの良さをマーケティングの世界に持ち込みたいと考えています。
パターン・ランゲージの型
①状況⇄②問題⇄③解決⇄④結果
パターンランゲージでは、この4つをパターンとして捉えるようです。
①状況
↓
②そのとき(問題)
↓
③そこで(解決)
↓
④そうすると(結果)
パターン・ランゲージの表現
パターン・ランゲージは、パターン同士の繋がりが可視化されて、全体像を示す形で表現されるようです。
・イメージ
・上位概念との関連性
・パターンの説明
・下位概念との関連性
画像は下記のサイトから引用させて頂きました。
[パターン・ランゲージとUI設計 | OVERKAST ROUGHKUT]
パターン・ランゲージの全体感は下記のようなイメージで表現されます。
井庭先生の作成した画像を引用させて頂きます。
センターがあり、そこから複数のパターンが派生して繋がりが可視化されたものになることが大切なようですね。
マーケティング・パターンも、こちらを参考に、センターとコアパターンに分けて作成してみます。
②なぜパターンランゲージがマーケティングの世界に必要?
”暗黙的な実践知”を共有することがパターンランゲージの目的とのことです。
マーケティング思考も、暗黙的=言語化しにくい領域であり、実践知化されていないことが課題だと考えています。
フレームワークはどうなの?
マーケティングの世界では、戦略を考えるフェーズでフレームワークが登場します。
研修では、PEST、3C、4P・・様々なフレームワークを教えてもらい、そのフレームの中で思考することが求められます。
最近感じているのは、フレームワークを活用した分析だけでは見落としているもの、共有しきれていないものがあるのではないかということです。
何が見落とされているのか?
フレームワーク分析ではマーケッターの思考プロセスが共有されない!
どう考えて、そのフレームワークで情報を整理することに行きついたのかが、出てきたアウトプットだけではわからないのです。
だから再現性を担保できない。
マーケッターが
・どんな状況で
↓
・どんな問題に直面して
↓
・どんな意思決定をして
・問題を解決してきたのか?
という思考プロセスが抜け落ちている。
マーケティングの成功事例は世の中にたくさん出ていますが、メディアのインタビューや、体系化されたフレームワークなどで発信されていますが、正直、再現性が薄いと思っています。
もっと、優れたマーケッターの思考を共有しやすい形で言語化→世の中に流通させたい!という想いから、マーケティングパターン(マーケティングのパターンランゲージの略)
をつくることを決めました。
そして、マーケッターの思考回路を可視化→共有することができれば、「誰もがマーケティングプロセスに参加することが可能になる」はずです。
マーケティングはマーケッターだけのものではないです。
デザイナー、ライター、総務や経理などの管理部など、全員がマーケティングプロセスに関わるべきだと思うのです。
③マーケティング・パターンのプロトタイプを公開
ということで、現在マーケティング7.0のプロジェクトとして、マーケティング・パターンを開発しているわけです。
センター→コアパターン→パターン→フレームワークや具体的な視点という形で記述しています。
センター= マーケターの三方良し思考
コアパターン:1.1 市場の創造 パターン原則
・状況
デジタルの影響により市場環境が変化するスピードは日に日に上がっている。
・問題
市場環境が理解できていないと、マーケティング施策は目の前の改善に集中しやすい。
・解決
市場を定量的・定性的に把握することで事業の舵をどのように切っていくのかを判断する。
・結果
マクロ環境を理解した上で適切なマーケティング戦略・投資ができている状態をつくる。
コアパターン:1.2 顧客への愛 パターン原則
・状況
モバイルデバイス、SNSなどの影響を受け情報量が増え続けている。顧客は比較・検討を常に繰り返している。
・問題
顧客と企業の関係性はフラットになってきている。その中で、企業の一方的な情報発信では顧客の心は動かない。
・解決
自分たちの顧客価値は何か?どうやったら顧客が抱える根本の課題を解決できるのか?を考え、マーケティング施策に落とし込もう。
・結果
顧客との信頼関係を築き、長期的に付き合えるパートナーとなっている状態になっている。
コアパターン:1.3 組織変革の意志 パターン原則
・状況
マーケターの役割は日に日に変化が求められている。ファイナンス、デザイン、エンジニアリングなど、周辺領域に対する幅広い知識が必要とされている。
・問題
マーケターの役割は、広告・広報施策を回すことに偏りがちである。
・解決
マーケターは組織変革の役割を担う人材だと認識することから。そのために、組織の経営全般を理解し、組織資源と顧客価値・市場を動かす戦略を連動させて考えて行動する。
・結果
マーケターが組織変革を担うことで、組織は顧客・市場中心に考える思考が根付き、変化を起こし続けることができる体質になっている。
フレームワークや具体的な視点
実際に現場で、マーケティング施策を実行するためのヒントを得るためのパターンは、このようなプロトタイプを作成しています。
カード形式で現場で活用できるようにしていきたいと考え中です。
デザインは、マーケティングトレースのグラフィックレコーディングを担当してくれている@RihoNakaokaです。
まだ土台となりますが、マーケティングパターンを完成させて、
・成功するマーケティング戦略を短時間で組み立てられるようにする
・マーケティング戦略プロセスに多様な人を巻き込める環境をつくる
といったところまでもっていきたいと考えています。
完成させたマーケティングパターンは、こちらのイベントでお披露目&ワークショップ形式で使ってみる予定です!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
参考書籍とURL
本日は以上です。
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