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2021年10月を写真でふりかえる
今朝、車にボロボロの船を乗せて釧路方面へと走らせた。しばらくの間外に放置され続けたシーカヤック。なんの防御もないまま、日射、雨、風、雪の重さなど自然の攻撃にやられっぱなしだったやつだ。単に可哀想と言えばそうなのだが、きっとそんな姿でいたのには色々な理由もあるのだろう。
シーカヤックは以前から妙に惹きつけられる存在だった。カナディアンカヌーを始めたのが4年前。もちろんカナディアンも好きなのだが、シーカヤックは何かこう妙にソソる何かを放っていた。ふわっとしたピースフルなイメージは一切削ぎ落とした男の中の男といった印象。「怖い」とすら思わせるオーラを纏っている。そんな気がしていた。
もう少しくどめに言いたい。攻撃的で俊敏な戦闘機のようなボディライン。いかにも「自分だけ」感満載のコックピット。「さぁ冒険に出ろ」と言わんばかりに配置された2つの荷室とデッキに張られたショックコード。シーカヤックの詳しいことはこれからとしても、まずその姿をひと目見てグッとこない男子などいるのだろうか。
はてさてそんなわけで、まんまとその魅力?魔力?から頭が離れなくなり、乗ることに決めたのがちょうど10月ころだっただろうか。いよいよ本日、釧路のカヌーショップヒライワさんに修理に出した。ヒライワさんはカヌーショップでもあり、造船所でもある。FRP船の修理のプロフェッショナルだ。シーカヤックに関する歴史やフィールドのこと、色々教えていただいた。
修理から戻ってくるのは来春4月ごろ。この船だが、聞くところによると、かつてのカヤックブーム時代に名を馳せた船とのことだ。
「NIMBUS horizon」
どんな姿で戻ってくるのか楽しみだ。
あぁまた文頭が長くなってしまった。さぁさぁ書かねばと隙間時間に指を走らせている本日は12/17。発達した低気圧が太平洋側を抜けていく。珍しく釧路も真っ白な世界に包まれた。ようやくだ。ようやく根雪になってくれそうだ。さて、10月を振り返る。
【10月1日〜10月4日】
ガイドとして初の試みだったキャンプツアーを開催。詳しくは後日ツアーレポートとして書くのでそれをご覧いただきたい。
紅葉が始まったころだ。ヤマウルシや山葡萄からまず赤く燃える。
和琴半島から漕ぎ出し、釧路川源流部を流れる。
塘路湖の朝焼けが美しかった。
晩飯はキャンプツアーの醍醐味だ。
湿原エリアへ。
丹頂の羽を拾ったゲスト。笑みが溢れる。
最後に展望台から湿原を一望。「湖から漕ぎ出し下流部へ漕いできた」その過程を全身で感じたものしかわからない感動がきっとある。
今後はこういったツアーを増やしていきたい。そしてそういった最もらしい理由もつけることでしっかりちゃっかりと毎年旅にでようと思う。僕にとって旅は最大のインプットであり、ツアーとして表現するのが最大のアウトプット。その流れを作っていきたい。
【10月6日】
秋の天気は目まぐるしく変化する。気圧配置も乱れ放題。ガイドツアーは神経を使うが、自分の遊びとしては天気の変化こそ面白い。
この日も面白い天気だったので夕方から急遽、藻琴山へ。虹が出た。「ほうらやっぱりね」心の中でそう思ったのを覚えている。
山の斜面はこの頃紅葉がピークを迎えていた。
【10月9日】
紅葉みがてらカイの散歩へ。
16:16。太陽が山の向こうに隠れる前の一瞬。紅葉を照らした。この時間、今じゃ真っ暗だ。
【10月10日】
朝、森の中を散歩している。
ゴゼンタチバナがつけた実。まさしく「紅一点」だった。この時期は上も下もどこもかしこも森が美しい。変化が楽しい。
【10月11日】
屈斜路には葡萄を愛する男がいる。今年も現場へ駆けつけた。2年ほど前からタイミングでお邪魔している。仕上がるワインが楽しみだ。
バンドTシャツがよく似合う男だ。
何年も手塩にかけた葡萄。表情、葡萄に触れる手から愛に溢れていることがわかる。今年が彼のファーストビンテージだそうだ。彼がこのワインを口にするときの感動の量はどのくらいなのだろう。きっと作り手本人にしかわからない。そんなことを思って尊敬するとともに、少し嫉妬すらした。作り手って格好いいな。
友人であり狩猟者・作り手・売り手。素敵な関係だ。僕は撮り手として引き続き少し覗かせていただきたい。
【10月13日】
温かな時間に触れた。亡き母を想った。
【10月18日】
個人的な初霜だったと記憶している。
釧路川源流から毛嵐がもくもく。
トレイルの整備へでかけている。仁伏半島にサインが付いた日。嬉しかった。
この頃、山からおりてきたカケスたちをよく見かける。湖畔で水浴びをしている姿が可愛らしかった。
【10月21日】
ストーブの前でごろ寝したくなるものこの頃だ。一度つけたら暖かさから離れることは難しくなる。
【10月22日】
この日もトレイルの整備へ。大御所の2人を撮らせていただいた。なぜだろうか以前から撮らせていただきたい2ショットだった。
整備にも技が光る先輩2人だ。
山の紅葉は終わり、ほぼ全ての葉が落ち土へ還る。寂しく心に刺すような風景となり、寒さが一層しみる。なぜいつもこの時期はここまで寒く感じるのだろうか。
【10月24日】
仁伏半島トレイルのイベントを開催。町民や地域の方に新たに知っていただく機会となった。
小さな子供から、おじいちゃんおばあちゃんまで。この場所に歴史を感じ、未来を見た。
【10月27日】
雲海に包まれた朝だった。こんな日は光が美しい。
霧がもたらす柔らかな質感が好きだ。
見上げると青空が広がりはじめていた。7:33。
今年は白鳥たちを追っていないな。そんな時はそんな距離感なのだろう。それくらいでいい。
【10月28日〜】
カイも連れて約10日間の旅に出た。
目まぐるしく、そして美しく。季節も時間も変化する10月だった。11月へ続く。
道東の自然と暮らす日々。
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