#9 「近くて遠い斜里岳trip 出会いとメンバー編」 2022.2月
構想2年。
ようやく実行まであと数日のところまできた。
斜里岳の懐に約5日ベースを張り、まだ見ぬ斜面に1本のシュプールを刻む計画。アプローチの長い斜里岳では日帰りや1泊〜2泊だと行動範囲は限られる。だからこそと綿密な計画とスケジューリングが必要だ。
リサーチする限り、初の試みではないかと思っているがどうなのだろう。
昨年は実現までもう少しだったが、相方の急な予定変更によりあえなく断念。しかし、そのポッカリあいたスケジュールに思ってもみなかった別な予定が入り込むというミラクルが起きたのも事実。ありがたいことに札幌の先輩奈良さんからロケのお手伝いの仕事依頼があったのだ。つい先日、北海道でもフルバージョンが放送された番組である。
ぽっかり空いたスケジュールのおかげで?レジェンドの皆様にかこまれ山中にいること約1週間、とても貴重な経験をすることができたのだ。まったくスケジュールというものは奥が深い。
さてさて話を戻す。今回の計画に参戦するメンバーは僕を含み3人。コンパクトな行動と意思疎通のしやすさ、ゴールイメージの共有、そして安全管理を考慮した上でベストな選択だと思う。
1人は知床海岸トレッキングや残雪期の日本アルプス縦走を共に行なった馴染みの相方でもある「吉田春陽」。彼は今地元奈良でフォトグラファーとしてバリバリ仕事をしている。そして元ファイントラックの社員というだけでもう怖い。もう尻をたたかれたくない。
彼が書いた記録が残っていた。5日分の寝食と板を担いで縦走したまったくアホな記録だ。もう5年前になるんだな。
さて、もう1人は昨年の計画断念後に斜里岳の山麓宿マンディルで偶然出会った「下村雄太」。その時なぜ山の話になったかはわからないが、はるひと断念したこの計画の話になった。そして話を進めていると、僕の愛読誌でもあるFALLLINEで手に汗にぎる記事を書いた張本人であることもその時わかり「ああ!あの!!」と興奮したことも覚えている。
この時彼から「その計画やるなら参加したいです」と言われたが、彼ほどのライダーだ、正直なところリップサービスなのだろうと解釈していた(ごめんね)。昨年末に一応・・・と旅のコンセプトと楽しむポイントをお声がけさせていただいたところ「ぜひ!行きたい!」と共感してくれたようでジョインと相成った。そして後にわかるのだが、はるひとゆうたくんもスプラウトの峠さんを接着剤に繋がっていたのだ。まったく出会いとは必然だ。
写真は先日の初セッションから。キュートな笑顔と裏腹にアグレッシブなスキースタイルにシビれた。山で1日どっぷり行動を共にすると裸の心で強く繋がる。彼が持つ未来へのビジョンや価値感覚に尊敬と共感で心が溢れた。彼のことは以下の記事でチェックできる。ぜひご覧いただきたい。
さて、紹介が多くなった。しかし熱く尊敬しているメンバーだからこそだ。育ちも今の住まいも経験も今の仕事も異なるメンバー3人。共通項は自然が好きで山が好きでスキースノーボードが好きなこと。そしてそれぞれが自分の道や自分の仕事、自分の表現をしっかり見つめて試行錯誤しながらも行動していることだ(自分で言うのもおこがましいのだが・・・)。
このメンバーでどんな旅になるのか。僕がきっと一番楽しみだ。結果にとらわれず安全第一の精神で無理せずユルりと楽しむ、いつもの僕のスタイルに付き合ってもらうつもりだ。そして酒は重くても切らさない量を背負っていくつもりだ。
構想から2年。今までの人生で意図せず打ってきた点が、思いがけない出来事や出会いをくりかえし、徐々に線になって今回のメンバーでの山行へと繋がっている。そして、冒頭に書いた昨年のレジェンド達からうけた刺激は心の中で燃え続けているのだろう。
あとは天候。祈るのみ。日頃の行いが今試されている。
2022.2.25