超保守派の私はどうして立憲民主党を支持するのか

　これまで明確には書いてきませんでしたが、私の現在の支持政党は立憲民主党です。

　これまで炎上を怖れて控えてきましたが、社民党が事実上解党して立憲民主党に合流した今、超保守派の私が立憲民主党を消去法であっても支持する理由を書かせていただきたと考えます。

「左傾化した民主党」か「右傾化した立憲民主党」か？

　まず、基本的な事実認識をしたいと思います。

　新立憲民主党についてよく「帰ってきた民主党」とか、更には「左傾化した民主党」と言った評価があります。しかし、私はそのような解釈は実態に合わないと考えます。

　そもそも「帰ってきた」も何も、民主党の後継政党は国民民主党です。国民民主党は自民党以上の保守政党でした。

　そして、民主党（当時は民進党）から勝手に左派議員が離党して作ったのが、立憲民主党です。

　その立憲民主党が国民民主党を含む野党と合流してできたのが、今の新・立憲民主党です。その中には、旧民主党所属歴のない自民党出身の保守派議員も複数存在します。

　そうした現状を見ると、名前こそ「立憲民主党」ですが、立憲民主党が自分たちよりも「右側」の勢力と対等合併したのですから、これは「右傾化した立憲民主党」と評価するのが適切です。

健全保守勢力の樹立のためにも政権交代が必要

　私が目指しているのは、保守二大政党制です。それは常に一貫しています。

　しかし、健全な保守勢力が育成されるためには、政権交代が必要です。無論、それは「保守二大政党制」ではなく「リベラル二大政党制」を目指す方についても、同様です。

　国民の大多数が保守であっても、政権交代が起きないシステムであれば、政府は保守派の民意など無視できます。政治は腐敗し、保守派の国民が望んでもいない政策が「自称・保守派」の政府によって執行されます。

　今の日本は、まさにそれに近い状態になっています。

　念の為に言っておきますが、仮にリベラル派が国民の大多数になっても、野党が分裂して政権交代が起きない状況であると、リベラル派の政策は反映されません。

　現在の自民一強の状況は、保守やリベラルなど関係なく、健全な政治の実現を妨げているのです。「絶対権力は絶対的に腐敗する」という言葉の通りに。

　旧立憲民主党は保守派の政治家を積極的に排除している政党でしたから、旧立憲民主党による政権交代には、私は反対しました。しかし、新立憲民主党には保守派の政治家も参加しています。ならば、とりあえずは、政権交代を起こしていただきたいと考えます。

政権交代を理解していない「比例代表制信者」の間違い

　ここで「野党が結集しないといけないのは小選挙区制だからだ。比例代表制だとそもそも自公政権になっていない。」という「比例代表制信者」の登場が予想されますので、念の為に、その誤りを指摘させていただきます。

　もしも完全比例代表制を導入すると、どうなるでしょうか？

　直近の２０１７年の衆院選のデータを見ると、比例代表における与党の得票率は、約４５％です。過半数は占めていません。

　ならば、自公政権が退陣するのか、というと話はそう単純では無いのです。

　完全比例代表制で野党政権を樹立しようとすると、共産党から維新の会まで、全ての野党を連立させる必要性があります。

　しかし、共産党と維新の会は、お互いのことを自民党以上に嫌っているような間柄です。従って、そのような連立政権など、誕生のしようがありません。

　それではどうなるか、というと、野党の一部が自民党か公明党のいずれか（あるいは、双方）と連立を組むというのが「完全比例代表制」の末路です。

　要するに、小選挙区制だろうが比例代表制だろうが、野党が分裂していては政権交代など、不可能なのです。特に完全比例代表制だと、野党を装った自民党別働隊が数議席でも獲得すると自民党政権継続の可能性が高まるので、より危険であると言えます。

社民党の合流は止むを得ない

　今回、新立憲民主党に社民党が合流することになりました。これにより、立憲民主党の「右傾化」に終止符が打たれてしまいました。

　しかし、それでも、私はこの流れを支持せざるを得ません。

　原発新設を言い出した自民党など、支持できません。

　中国と協力してのスーパーシティ建設など、保守どころか左翼です。（リベラルではなく、スターリン主義という意味で。）

　私はリベラル派は嫌いですが、スターリン主義に反対するためには、リベラル派だろうがトロツキストだろうが日共だろうが（日本共産党が本当にスターリン主義と訣別しているかはともかく）、連携せざるを得ないのです。

　無論、日本共産党は保守派と連立政権など、組めないでしょう。なので、非共産の野党が結集する必要があるのです。

　私はそもそも、社会民主主義が直ちに左翼であるとは、思っていません。