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シリア「反体制派」の正体がアルカイダであることを報じない日本マスゴミの欺瞞

 シリアのアサド政権崩壊を受けて、日本のマスコミは偏向報道を繰り返している。例えば、NHKがこんな記事を出しているのには仰天した。

シリアではアサド政権を崩壊に追い込んだ反政府勢力に政権が移譲されることになっていて、11日、反政府勢力は首都ダマスカスで出していた夜間の外出禁止令を解除し「仕事に戻り、新たなシリアを作るために協力してほしい」と呼びかけました。

また反政府勢力を主導する「シリア解放機構」のジャウラニ指導者は11日、独裁的なアサド政権下で刑務所などでの拷問に関わった人物について「シリア国内では追跡し、国外に逃亡した人物は各国に引き渡しを求める」とする声明を発表し、責任を追及する方針を明らかにしました。

アサド政権下では拷問などの非人道的な行為が繰り返されてきたと国連などから指摘されていて今後の動きが注目されます。

シリア反政府勢力 アサド政権下で拷問関わった人物 責任追及へ

 ここで言う「シリア解放機構」とは「シャーム解放機構」のことであるが、シャーム解放機構がアルカイダであることには一切触れずに、アサド政権による非人道的行為のみを記事にしている。
 もちろん、この記事全体のどこにもシャーム解放機構(シリア解放機構)とアルカイダとの関係には、一切触れていない。
 私はシリアの反体制派がアルカイダであることに5年前から言及してきた。言うまでもなく、私でも知っていることをマスコミが知らないはずがない。
 私も一々当たり前のこと(海外のマスコミが日本語ニュースでも配信していること)を記事にはしない。
 例えば、日本のマスコミでは既に亡んだかのように扱われている「ダーイシュ」(自称「イスラエル国」)にオマーンの公務員らが忠誠を誓いテロを行った事件など、日本のマスコミが報道しないが海外のマスコミは報道しているニュースは山ほどある。
 一昨月もCNNが「ダーイシュ」とアルカイダの“復活”に警鐘を鳴らす記事を出していた。言うまでもなく日本語版でもこの記事は配信されており、にもかかわらず日本のマスコミが報道しなかったのは怠慢という他ない。
 しかし、本当に怠慢であるというよりも、もっと単純に「アサド政権=悪」と言う図式を守るために反体制派側の「悪(=アルカイダ)」を隠そう、という善悪二元論で報道しているのが原因ではないか、と言う気がしてならない。
 紛争において特定の立場だけが一方的な被害者であることはあまりない。例えばアサド大統領が独裁をする背景には、彼がシリアで弾圧されてきた少数派であるアラヰ―派の信者であるということがあるが、そのことも日本のマスコミは殆ど報じない。
 もちろん、マイノリティによる独裁は問題である。だが、マイノリティへの迫害に触れずにマイノリティの独裁だけを報じるのは、ユダヤ人迫害の歴史に触れずにユダヤ資本やイスラエル批判だけを報じる反ユダヤ陰謀論者の同類である。
 日本のマスコミはいい加減、善悪二元論に基づく報道を辞めるべきであろう。
 また、朝日新聞から産経新聞まで一致団結して行っている偏向報道の背景に政府の指示があると想像できることは、言うまでもない話である。


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日野智貴
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