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冬至とゆず湯 -温考知身の二十四節気養生-

はじめに

ぼくの暮らす丹後では雪が降り始めました。
そして気づいたら冬至ですね。

そんな、冬至は一年で「夜が最も長い日」。
この日を境に少しずつ日が長くなり、太陽の暖かさを感じます。東洋医学では、冬至は「陰」が極まり「陽」が芽生える節目とされ、体と心を静かに休めることが大切とされています。

特に冬至には欠かせない「ゆず湯」は、ぼくたち日本人にとって特別な文化であり、香りと温もりに深い癒しの効果があります。今回は、ゆず湯に込められた意味と冬至の養生法を東洋医学的な目線も挟みながらご紹介いたします〜


冬至とゆず湯:香りで心を温める日本の知恵

冬至にゆず湯に入る風習は、江戸時代から続く日本の伝統文化です。「冬至=湯治」という語呂合わせや、ゆずの香りが邪気を払い、一年を無病息災で過ごす力があるとされてきました。
昔から香りが豊かな植物は邪気払いで使われているようです。お灸の原料であるよもぎもそのうちの一つ。

また、ゆずは日本古来の柑橘類であり、その香りはぼくたち日本人にとってどこか懐かしく、ホッとする心地よさを感じさせてくれます。東洋医学でも、柑橘類の香りは「気の巡り」を整え、心の緊張を解きほぐすとされています。

ゆず湯について

1. 冷えの改善と血行促進

ゆずの皮に含まれる 精油成分(リモネン) には、血行を促し、冷えた体を芯から温める作用があります。湯船にゆずを浮かべることで、香り成分が蒸気となって全身を包み込み、手足の末端まで血が巡りやすくなります。

東洋医学の視点
体が温まることで 「陽気」 が高まり、体内の巡りがよくなります。特に冷えやむくみが気になる人には、ゆず湯がぴったりの養生法です。

2. 香りで気を巡らせ、心を整える

ゆずの爽やかな香りは、東洋医学で 「気の巡りを良くする」 とされ、心の滞りやストレスを和らげる働きがあります。
また、アロマテラピーの観点でも、柑橘系の香りは自律神経を整え、リラックス効果をもたらすことが知られています。

ゆずは1300年前の奈良・飛鳥時代に伝来されたと言われています。日本人の暮らしに根付いた香りでもあるので、どこか懐かしい安心感を感じる香りです。

3. 消化器の働きを助ける

ゆずの香りは、胃腸の働きをサポートし、消化を促進する効果があります。冬の寒さで弱りやすい消化器系に優しく作用し、体の内側から整えてくれます。

東洋医学の視点
消化器は「脾(ひ)」と呼ばれ、体のエネルギーを生み出す重要な働きを担います。ゆず湯に浸かりながら香りを感じることで、リラックスが胃腸にも伝わり、消化の働きが整います。

冬至にゆず湯を楽しむ方法

ゆず湯は、手軽に取り入れられる冬至の養生法。ゆず湯に入る際は、香りや温かさを全身で味わうことがポイント!

簡単な楽しみ方
1. ゆずを数個、丸ごと湯船に浮かべるか、半分に切って布袋に入れる。
2. 38〜40℃のぬるめのお湯に10〜15分ゆっくり浸かる。
3. ゆずの香りを意識しながら、深い呼吸を行う。
• 鼻からゆっくり吸い込み、口から細く長く息を吐くと◎

まとめ

冬至は「陰」が最も深まり、新たな「陽」の気が芽生える日です。ゆず湯の温もりと香りを楽しみながら、夜の静けさを楽しみましょう。体を温め、早めに休むことで、心も体も次の季節に向けた力を蓄えることができます。

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