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【A.強制発想編】①キーワードのかけ合わせ- アイデアの見つけ方-

新サービス検討からエクササイズ的な領域まで、様々な「アイデアを出す」分野のワークショップファシリテーション(アイデアソン)をに携わって、気づいたら10年くらい経っていました。
自分の脳みそが衰えていく前に、時間を見つけてアイデアに関連する情報を整理していきたいと思い筆を取りました。

今回は「キーワードのかけ合わせ」による強制発想法を取り扱います。


1. 特徴と利用シーン

この手法は、『アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない』(アイデアのつくり方(ジェームス.W.ヤング,1988))を地で行くような、最もプリミティブな「アイデア発見」方法といっても過言ではありません。
どのような場面でも利用可能で万能です。
万能ではありますが、過度な期待を持たないように用法用量に注意をし活用しましょう。

利用シーン

  • アイデア出しの練習に

  • アイデアの量を出したい時

  • 普段と異なる視点でアイデアを出したい時

  • ネタ作り、突飛なアイデアを求めている時

  • R&Dにおける用途開発・用途探索の一貫として

2. やり方:キーワードのかけ合わせ発想法

この手法では、2種類以上のキーワードを並べ、強制的に結びつけることでアイデアを強制発想させます。
例えば、、、「クラシック音楽」 × 「Uber Eats」 のように。。。
(この掛け合わせで何か思いつきましたか? 私は吹奏楽団がオンデマンドでデリバリーされていく単純なアイデアしか思いつきませんでした)

この手法を経て出てくるアイデアは、「強制的に発想する」というその成り立ちから「アイデアの質」をあまり期待できません。
そのため、「量」を出す事に注力し、その後良質と思われるアイデアを絞り込むべく活用しましょう。

▼量を出すコツ

  • キーワードを大量に用意をし掛け合わせを行い、アイデアを大量に出す

  •  1つのキーワードに時間をかけず、発想できなければあきらめて、次のキーワードに移る


3. 応用:キーワードの選定

プリミティブで万能な発想法だからこそコツが必要です。
やみくもにキーワードをかけ合わせれば良いというわけではありません。
かけ合わせるキーワードの考え方について2点整理し、応用編としたいと思います。

3-1.キーワード間の距離

この発想法ではキーワード同士の距離が遠ければ遠いほどアイデアの新規性が高くなります(「距離が遠い」 ≒ 「関係性が薄い」 と捉えてください)。
別の言い方をすると、関係性が強い(距離が近い)キーワード同士だと、どこかで聞いたようなアイデアにたどり着く傾向にあります。

✔ 距離近い例
「クラシック音楽」 × 「ヘッドフォン」 
 → クラシック音楽を聴くのに音域を最適化されたヘッドフォン

「クラシック音楽」 × 「フランス料理」
 → クラシック音楽とフレンチコースが売りのホテル

✔距離遠い例
「クラシック音楽」 × 「洞窟」
 → 洞窟でクラシック音楽の生演奏を聴くという非日常体験のイベント
 (遠いキーワードだと思いましたが既に開催されているのですね)

「クラシック音楽」 × 「バイオテクノロジー」
 → DNA配列を基に作曲する手法の開発

3-2. キーワードの大きさ

小さいキーワード(具体性が高い)ほど、アイデアの新規性は高くなる傾向にあります。
一方、多様な解釈をされるような「抽象的なキーワード」や「ビッグワード」を用いると、アイデア出しに慣れていない方はアイデア自体も抽象的でふわっとしたものになります。

✔ ビッグワード・抽象的なワードのかけ合わせ例
「音楽」 × 「料理」 
 → ディナーショーでしょうか、、、

「音楽の課題」 × 「IT」
 → チケット販売的な課題を解決するIT的な何か、、

✔小さいキーワードのかけ合わせ例
「初心者向けクラシック音楽」 × 「アロハシャツ」
 → クラシックを聴きに来るハードルを下げるために、アロハシャツで鑑賞しても良いような演奏会

「クラシック音楽の演奏者」 × 「宅配便の再配達」
 → 1曲の演奏時間が長いため、自宅で練習中に荷物が届かず再配達になる場合が多い。そのため、演奏練習中でも荷物を受け取れるような何か、、

以上、例を上手く提示できた気はしませんがご参考まで。

4.  サンプル

最後にこの手法による、アイデア出しサンプルをおいておきます。
私の場合はスプレッドシートにキーワードを並べ、順番を入れ替えながらランダムに組み合わせを作っていく事が多いです。
同様なやり方で試される場合は、スプレッドシートをコピーしてご使用ください


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