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食べ終わった食器はすぐに洗おうよ

「父さん、食べ終わった食器はすぐに洗ってくれよ」

私は毎日心の中で思っている。

父は仕事が終わるのが早く、毎日だいたい18時には家にいる。
父は帰宅すると90歳になる祖母と一緒にご飯を食べる。
母は自宅の裏の部屋でピアノ教室をしているため、その場にはいないことが多い。

私の帰宅はだいたい19時~20時頃だ。

「私の変化1」で書いたのだが、私は帰宅すると真っ先に自分の弁当を洗うためにキッチンに行く。

キッチンに行くと父と祖母の食べ終わった食器がシンクに雑に置かれている。さらには父の弁当箱まで置かれたままだ。

父はテレビを見ながらくつろいでいる。
私はため息が出る。

「テレビばっかり見んと先に洗い物せーよ」
「なんで父さんの弁当箱まで洗わなあかんねん」

と、心の中でブツブツ言いながら仕方なくその食器を洗い、食器乾燥機に並べる。私が洗わなければ母が洗うことになるからだ。

毎日その状態なので、父の弁当箱だけ洗わないでやろうかと何度も思ったが、さすがにそれは冷たすぎるので仕方なく洗ってやる。

そして自分の弁当を洗い、翌日の弁当を詰める。
その後夕食を取り、もちろん自分の使った食器はすぐに洗って乾燥機に入れる。

食器洗いだけでこれだけイライラするのに、母は何十年もやってきたのか。
朝から洗濯をし、晩御飯の支度、掃除、自分の仕事までこなしている。
私が食器を洗っていると母が、「私がやるから置いといていいよ」と言ってくれる。優しい母だ。
母の偉大さを痛感している。

私はそれに気付くのが遅かった。
父も優しいのだが大雑把な性格もあり、父に対してイライラすることが多くなった。
小さい頃は勉強などに対して母の方が厳しく、父は優しかったのでどちらかと言えば父の方が好きだったが、今はその父に対してイライラしてしまっている。

ある日いつものように食器を洗っていると、くつろいでいた父が近づいてきた。
「智希は優しいから洗い物してくれて助かるわー」と言ってきた。

私はチャンスだと思い、不機嫌な態度で言ってやった。
「自分の食べた分をすぐに洗えばシンクに溜まらんで済むねんから、すぐに洗ってくれたらええやん」

父は苦笑いしながら「確かにそやな。」と言っていた。
その場に母もいたが、母は笑っていた。

次の日から、私が帰宅するとシンクに何もない状態になっていた。
私の一言が通じたのだ。
さらに父は、私の真似をして弁当も早めに準備するようになっている。

私が父の習慣を変えてやった。
これで私がこの家から居なくなっても、少しは母の負担が減るかな。

そう願っている。。。

だが、まだ続きがある。

ほとんど毎日ちゃんと洗ってくれていたのだが、ある日洗った食器を乾燥機に入れずにシンクの上の台に並べられていることがあった。

私は「なんで?」と思いながら乾燥機を開けてみると、乾いている食器が入ったままだった。

「いやいや、洗う前に乾いた食器を片付けんかいな!」とまた心の中で叫んだ。

その食器を片付けているとまた父が近づいてきて、「食器乾いとったやろ」と言ってきた。
私は「知っとったんかい!」とツッコミ、「じゃー片付けてくれよ!」と言ってやった。

なぜこんな簡単なことができないんだ。

まだまだ先が思いやられるな。。。







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