【古典洋画】「老人と海」
1958年の、アメリカ古典映画「老人と海(The Old Man and the Sea)」。監督は、多くの名作を手がけたジョン・スタージェス。
言わずと知れたアーネスト・ヘミングウェイの「ピューリッツアー賞・ノーベル文学賞」受書作が原作。
舟よりもデカいカジキマグロと、それを仕留めようとする老漁夫の闘いを描いたシンプルなものだけど、後半、仕留めたカジキマグロを食べようと襲って来るサメとの闘いもあって、“サメ映画”のテイストも入っており、多分に原作よりは面白かったと思う。
いつものように少年に見送られて、海に出た老漁夫が、仕掛けた網に、かつてなかった程の重さを感じて、そこから、網にかかったカジキマグロと、4日間に渡る死闘が繰り広げられる。
老漁夫は、若かった頃は、腕相撲では町で誰にも負けないくらいの力持ちであったが、カジキマグロとの死闘では、ロープで手を傷付けて、老人特有の左手の痙攣にも見舞われて、舟は引っ張られて、満足に睡眠も食事も取れずに、ボロボロに疲れて、根気比べの末、やっと仕留めたカジキマグロを舟に括り付けて、ホウホウの体で帰路に着くが、今度はサメが襲って来て、応戦するものの、半分以上を食われてしまう。
死闘の末にせっかく仕留めたカジキマグロのほとんどをサメに食われて、あーあ、ガッカリというところだが、人間の、例え命をかけた行動や仕事であっても、様々な予想もしない要因によって、それが全て“無”になってしまうこともある、そして、それが他の人間に伝わらないこともあるということを示唆しているようだ。
しかし、自分だけは、そのことに充分、満足してることをわかっているのだから、それでもイイのだ。少年もわかっているし。自然に対する人間の可能性ってそんなことじゃないだろうか。人間はどう行動すれば良いのかというヘミングウェイの哲学が表れているようにも思うね。
「負けたがどうした。何に負けた。遠くへ行き過ぎただけだ。人間は負けない。破滅はするが、負けはしない」by老漁夫
こんな、ある意味で健康的な小説を書いたヘミングウェイも、晩年、飛行機事故で身体が思うように動かず、いろいろと行動に支障が出るようになって、絶望の末、散弾銃による自殺を遂げるなんて、人間なんて全てにおいてままならないものだね。
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