「サスペリア PART2」
「決して一人で見ないでください」の、ダリオ・アルジェント監督の代表作「サスペリア」の「PART2(75年、Profondo Rosso)」を観た。
洋泉社・映画ムックのミステリー映画ベストテンの1位になってたから借りたのだが、最初は「あれ?やっぱりホラーじゃねえのか?続編じゃねえじゃん、ったくぅ」と思ったけど、やがて面白くて目が離せなくなった。さすがアルジェント監督だ。イタリアン・ホラーのテイストもガッツリ入った超傑作ミステリーだった。
こういうジャンルの映画を「ジャーロ・ムービー」というらしい。70年代のスリリングなスリラー映画のことで、この映画は、そのジャーロ・ムービーの金字塔的作品だって。
超能力者の女性が殺されるのを目撃したピアニストの男が、知り合った女性新聞記者と事件の真相を探っていくと、なんと驚きの事実が…。手がかりとなるものを見てたのに、見過ごしてた!というストーリー。
当然、最後まで犯人はわからないけど、ホラー映画のような、血のりポタポタ、ヤケドで顔ブクブク、トラックのタイヤで顔がブチュッ、なんて残酷な殺され方や、アルジェント監督らしいチープっぽいカメラワーク、時々入る女性新聞記者とのユーモアあるやり取りも、時代を感じさせてよろし。
ちょっと「サイコ」のように、精神を病んだ母とそれを庇う息子の悲劇の物語という感じもするね。
古びた幽霊屋敷、気持ち悪い少女、隠された殺しの絵など、観せ方というか、怖がらせ方が秀逸で、けっこう後半からはハラハラドキドキできたね。そうそう、殺されるシーンで、急にドアが開いて繰り人形が笑いながら歩いてくる場面があるのだが、ビックリして、トラウマになってマジ夢に出てきそう。
音楽は、おなじみのプログレのゴブリンだけど、殺しのシーンでリズムある躍動的な曲が流れたり、普通は「ええ、この場面でこんな曲かよっ」て思うけど、イタリアン・ムービーだと逆にそれがいい味出してて俺は好きだ。
それにしても、最初のサスペリアとは全く関係ないんだな。どうして邦題を2にしたのだろう。