「アウトサイドで生きている」
先日、読んだ日本のアウトサイダー・アート紹介本の続き。
アウトサイダー・キュレーターを自称する著者が選んだ10人のアウトサイダー達だ。
どなたも、アートなんて意識せずに(もちろんアートの知識もない)、それぞれ個人的なキッカケで突然、創造・製作を始めてしまう。気付けば、トンデモないモノを作り上げてしまったのだ。
どんな意図があって作るのか、曖昧でハッキリとしないことが多い。ただ、製作過程、もしくは完成した時の、全身に電流が流れるような高揚感は共通してるようだ。
異物を身にまとい本人そのものがアウトサイダー・アートになった例も少なくない。
別に“ガイキチ”だけではなく、日常からアウトサイドにいる人ではない。創造・製作となるとアウトサイドにはみ出てしまうのだ。
ここに紹介されたアウトサイダー達の“仕事”ぶりを知ると、パワーをもらえる。
確かに社会的な成功とは無縁だけど、アートや表現というか、他人からすればムダかもしれないが、ただただ自分だけの快楽を追求する姿勢と、その自らの表現に強い自信と誇りを持ってる態度に、日常や社会的ルールを飛び越えた尋常ならざるエネルギーを強く感じるからだ。
そして、作品の背後に製作者の生き様が投影されているのだ。
ただ書きたい、ただ描きたい、ただ作りたい、ただ並べたい、ただ着たい…世間や社会など気にせずに、自らの欲望や内面、ドス黒い想い、感情などが溢れて出て来てしまう。本来、アートとはそういうものだろう。
刹那的だけど、そこに絶対と永遠が垣間見える。アートは発掘しなきゃならない。
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